消費税還付 法人への追徴税額最多 仕入れ水増しなど 国税庁

消費税の還付申告をした法人を対象に、全国の国税局がことし6月までの1年間に行った税務調査で、追徴課税の総額が過去最多のおよそ372億円に上ったことが、国税庁のまとめで分かりました。このうち、111億円は仕入れを水増しするなどの手口で行われた不正還付に伴うもので、国税庁は特に悪質だとして引き続き、厳正な調査を行う方針です。

消費税には、商品を販売する際に受け取った額より、仕入れの際に支払った額が多ければ、その差額が国から払い戻される還付制度があります。

国税庁によりますと、全国の国税局が、ことし6月までの1年間に消費税の還付申告をした法人を対象に行った税務調査による追徴課税の総額は、およそ372億円で、統計を取り始めた平成18年以降、最も多かったということです。

このうち、111億円は仕入れの水増しや架空計上などの手口で行われる不正還付に伴うもので、34億円だった前の年の3倍余りに増えています。

中には、実際には取り引きがないのに、帳簿上、高級腕時計を数多く仕入れて、外国人旅行者に免税販売したように見せかけ、消費税の還付金を不正に受け取ろうとしたケースもあったということです。

国税庁は、消費税の不正還付は、国から金をだまし取る行為で特に悪質だとして、引き続き、厳正に調査する方針です。