福井県職員ら金品受領 情報公開で県の非開示決定取り消す判決

関西電力の旧経営幹部らに金品を渡していた、福井県高浜町の元助役から、県の職員ら100人余りも金品を受け取っていた問題で、福井地方裁判所は、21日、県が職員らの調査の回答内容を情報公開請求に対して、非開示とした決定を取り消す判断を示しました。

関西電力の旧経営幹部らが高浜町の元助役から金品を受け取っていた問題で、福井県は県の職員や元幹部ら109人も金品を受け取っていたとする調査報告書をまとめています。

これについて市民団体は情報公開請求で、県が調査に対する職員らの回答内容や関連する会社名を非開示としたため、福井地方裁判所に提訴していました。

これに対し県は職員らの関連職歴を開示しており、回答内容まで開示すれば対象者が特定される可能性があるなどと主張していました。

21日の判決で、福井地方裁判所の上杉英司裁判長は「原発の存立維持を図っている福井県庁にあって、高浜町の元助役が関西電力の役員らのみならず、県の幹部らに長年にわたって金品を贈答し続けてきた疑いが生じたことで県の調査は行われた。職務の遂行の適正性に関わる性質の情報であるから、特定の公務員にとって不利なものであっても開示することは正当だ」として、非開示とした県の決定を取り消しました。

原告「『条例の原則公開』を」

判決後、原告の市民団体は会見を開き「県は控訴しないで情報を開示するとともに『条例の原則公開』という原則を、もう一度思い出してもらいたい」と話していました。

福井県知事「誠に遺憾 今後の対応を検討」

判決について福井県の杉本知事は「本県の主張が認められなかったことは誠に遺憾であり、判決内容を十分精査したうえで今後の対応を検討してまいります」とのコメントを出しました。