“沖縄県のサンゴ移植許可撤回
は違法” 取り消す決定 農水省

アメリカ軍普天間基地の名護市辺野古沖への移設工事をめぐり沖縄県がサンゴの移植許可を撤回した問題で、農林水産省は撤回は違法だとして取り消す決定をしました。この結果、サンゴの移植作業はこのまま続けられることになりました。

普天間基地の名護市辺野古沖への移設工事をめぐり沖縄県はことし7月、沖縄防衛局に対し埋め立て予定の海域にあるサンゴの移植作業を行う許可を出しましたが、サンゴの生残率を高めるために水温の高い時期を避けることなどを求めた県の条件に従っていないとして、2日後に許可を撤回しました。

これに対して、防衛局は、サンゴを含む水産資源の保護を所管する農林水産省に、撤回の取り消しを求める審査請求を申し立てました。

農林水産省は、撤回処分の効力をいったん停止して、移植作業の再開を認めるとともに双方から意見を聞くなどして審査を進めてきました。

その結果、農林水産省は28日、沖縄県による撤回処分は違法だとして、これを取り消す決定を下しました。

理由については、防衛局が海水温などを測り専門家の助言を得るなど、条件に沿った作業をしていたとしているほか、沖縄県は撤回処分の前に防衛局側の主張を聞く手続きを取っていなかったと指摘しています。

今回の決定によって、サンゴの移植作業はこのまま続けられることになりました。

岸防衛相「引き続き適切に対応」

岸防衛大臣は、記者会見で「専門家の意見を踏まえ、水温を含めて作業当日の現状を確認のうえ、移植の可否を判断して実施しているものであり、引き続き適切に対応していく」と述べました。