「黒い雨」原告以外の217人
被爆者健康手帳の交付申請

広島への原爆投下直後に降った放射性物質を含むいわゆる「黒い雨」をめぐり、政府が、裁判を起こした住民に限らず「黒い雨」を浴びた人たちの救済を検討する考えを示したことを受けて、広島市などに住む217人が被爆者健康手帳の交付を一斉に申請しました。

広島に原爆が投下された直後に降った放射性物質を含む、いわゆる「黒い雨」をめぐる裁判では、広島高等裁判所が原告の住民を被爆者と認め、被爆者健康手帳の交付を命じた判決が確定し、政府は原告に限らず、同じように雨を浴びた人たちの救済を検討する考えを示しています。

これを受けて、被爆者団体や弁護士などで作るグループは、原告だった住民のほかに「黒い雨」を浴びた人たちの被爆者健康手帳の取得に向けて申請を取りまとめていて、広島市や周辺自治体に住むあわせて217人が一斉に手帳の交付を申請しました。

弁護士などで作るグループは、今後も手帳の申請の支援を続けたいとしています。

11日に申請した広島市に住む80歳の女性は「4歳の時に自宅前で黒い雨を浴びました。1日も早く被爆者健康手帳を出してもらいたいです」と話していました。

広島市援護課の宍戸千穂課長は「国から、まだ救済の具体的な基準が示されていないが、市として、できるところまで審査を行いたい」と話しています。