岸田内閣の“ご祝儀相場”
どうなった?

政権発足直後の内閣支持率は、前の政権に比べて高くなる傾向がある。
いわゆる“ご祝儀相場”だ。

4日に就任した岸田総理大臣は、すかさず、衆議院選挙を10月19日公示、31日投開票の日程で行う意向を示した。
衆院選は“ご祝儀相場”の中で行われることになるのか。

注目 岸田内閣最初の支持率は!

岸田内閣の最初の支持率が注目だ。
衆院選が解散から投開票まで17日間という異例の超短期決戦で行われるため、“ご祝儀”の有無、そしてその大小が、選挙結果に大きな影響を及ぼすとみられているからだ。

菅内閣 末期は低迷

菅内閣末期、9月の支持率は30%。

菅総理大臣が自民党総裁選に立候補しないことを表明する一方、複数の候補者による争いになり、事実上選挙戦がスタートしていたさなかで行われた世論調査の結果だ。

すでに菅内閣の支持率は最低の水準で推移し、支持率の低迷は退陣の一因とも指摘される。

10月4日発足した岸田内閣の支持率が、ここからどれくらい上昇するのだろうか。

歴代新内閣への“ご祝儀相場”

そこで、新内閣への“ご祝儀”の変遷をご覧頂きたい。
NHKでは、1998年4月から原則毎月1回世論調査を行っている。
歴代内閣の「発足時支持率」と「最終支持率」の一覧で、右端に発足時支持率が前の内閣の最終支持率を何ポイント上回ったかを示した。


各政権末期の「最終支持率」が最も低かったのが森内閣の7%。
50%を確保したのは2006年の小泉内閣だけで、去年の安倍内閣で34%、菅内閣はすでにご紹介したとおり30%、あとは高くても30%台でおしなべて低い。

それが「発足時支持率」では、2000年以前に発足した小渕・森両内閣は30%台にとどまったものの、2001年以降に発足したほとんどの内閣が6割近くから8割という高い水準だ。
“国民的人気”を誇った小泉内閣では81%に達した。

発足時支持率と、前の内閣の最終支持率との差を示す「上昇ポイント」を見ると、どの内閣も例外なく支持率を上げている。

最も大きく伸ばしたのは2001年に発足した小泉内閣で、前内閣の最終支持率が7%と低かったこともあるが、74ポイントも上昇した。
その他の内閣も、森内閣が4ポイントだった以外は、どの内閣も10ポイントを超える上昇となっていて、平均の上昇ポイントは33ポイントほどだった。

実績が未知数でも、新内閣への期待が上乗せされる、いわゆる“ご祝儀相場”という現象だ。

過去のほとんどの内閣で“ご祝儀”が相当程度確認されていることを考えれば、今回、まれにみる混戦となった総裁選を受けて、発足した岸田内閣にも一定の“ご祝儀”があるものとみられる。

岸田政権発足後初の調査は…

NHKの世論調査が11日に公表された。
注目された岸田内閣の支持率は49%。そして、菅内閣最後の支持率(30%)からの上昇ポイントは19ポイントとなった。

※NHKの電話世論調査
現在は18歳以上を対象にRDD方式で固定電話と携帯電話に対し行っているが、2004年と2017年の2度調査方法を変更した。調査方法は異なるが大まかな傾向を比較した。