天皇ご一家
皇居の新しいお住まい公開

天皇ご一家の皇居の新しいお住まいが、14日、報道向けに公開されました。ことし9月半ばにも新たな生活を始められる見通しです。

天皇ご一家の新たなお住まいは、去年春まで上皇ご夫妻が暮らされていた皇居の「旧吹上仙洞御所」で、およそ1年をかけて先月、改修工事が完了しました。

地上2階、地下1階の鉄筋コンクリート造りで、延べ床面積はおよそ5290平方メートル。屋根は銅板葺きです。

生活のための部屋のほか、海外からの賓客などを迎える広間や、天皇ご一家が専門家などから説明を受けられる応接室も設けられています。また、コナラやアカマツを植えた中庭があり、廊下や部屋の窓越しに自然を身近に感じられる造りになっています。

この建物は平成5年に上皇ご夫妻の新居として建てられたもので、老朽化が目立つため、およそ8億7000万円をかけて水回りや電気設備などを改修したほか、一部の部屋の壁紙を張り替えるなどしたということです。

天皇ご一家は、東京パラリンピックの閉幕後、ことし9月半ばにも移り住み、新たな生活を始められる見通しです。

一方、赤坂御用地にある天皇ご一家の今のお住まいには、上皇ご夫妻が仮住まい先から移られる予定で、今後、バリアフリー化の改修工事が行われることになっています。

順調に進めば今年度中に工事が完了する見通しで、上皇ご夫妻は、結婚後30年余りを過ごし天皇陛下や秋篠宮さまを育てた思い出の住まいに戻られることになります。

新型コロナの影響で半年遅れ

天皇ご一家のお住まいの変更は、おととしの皇位継承に伴うもので、宮内庁が検討した結果、新しく「御所」を建てるのではなく、上皇ご夫妻とお住まいを入れ代わられることになりました。

まず、上皇ご夫妻が皇居から東京 港区の仮住まい先に移られ、天皇ご一家が移られるための改修工事が始まりました。

工事は、去年12月までの予定でしたが、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で開始が遅れるなどし、およそ半年遅れで完了しました。

天皇陛下は赤坂御用地のお住まいからおよそ3キロ離れた皇居を行き来して、宮殿での公務や、宮中祭祀に臨まれています。

また、上皇ご夫妻は、去年3月末から1年3か月余りにわたって仮住まいを続けられています。

一方、赤坂御用地にある秋篠宮ご一家のお住まいも来年3月ごろまでの予定で増築工事が行われていて、秋篠宮ご一家は敷地内に新たに建てられた施設に仮住まいされています。