察庁法改正案 野党4党
党首ら 撤回要求で一致

検察官の定年延長を可能にする検察庁法の改正案をめぐって、野党4党の党首らが会談し、三権分立が損なわれ容認できないとして、政府・与党に対し、改正案の撤回を求めていくことで一致しました。

会談には、立憲民主党の枝野代表、国民民主党の玉木代表、共産党の志位委員長、社民党の福島党首のほか、無所属の野田前総理大臣も出席しました。

会談では、衆議院内閣委員会で審議されている検察庁法の改正案について、検察の中立性や三権分立が損なわれる内容で断固として容認できず、現状のままでは採決には応じられないという認識で一致しました。そのうえで、政府・与党に対し改正案の撤回を求めていくことを確認しました。

会談のあと、枝野氏は「新型コロナウイルスへの対応では、われわれは最大限協力するが、このような国論を二分する問題は国民の声を受け止めてほしい。与党には円満な国会運営を強く求めていく」と述べました。

国民 玉木代表「野党の修正案受け入れを」

国民民主党の玉木代表は記者団に対し、「法案としての成熟度や完成度が著しく低く、話にならない。これまで保たれていた検察の中立性や独立性を著しく害する法案で、このまま認めるわけにはいかず、野党が提出する修正案を受け入れるよう強く求めていきたい」と述べました。

また、玉木氏は、このあと記者会見で、「衆議院内閣委員会の審議が止まったが、定年の延長を例外的に認める際の明確な基準や客観的な条件を政府が示さなければ、これ以上審議には応じられない」と述べました。

共産 志位委員長「不当な国策捜査が行われる危険」

共産党の志位委員長は記者会見で、「行政と検察の権力が一体化した場合、不当な国策捜査が行われる危険があり、今回の改正案は大改悪だ。定年延長の基準がないのでは、政府が恣意的(しいてき)に決めると言っているのと同じだ。法案の合理性のなさを問いただし、追い詰めていく」と述べました。

社民 福島党首「憲法を踏みにじる改正案だ」

社民党の福島党首は記者団に対し、「筋が悪く、憲法を踏みにじるとんでもない改正案だ。検察官の人事に内閣が介入し、『この人は定年延長する。一方で、この人はヒラの検察官になってもらう』と決めるわけだから、内閣が検察庁をわがものにするとんでもない法案だ」と述べました。

野田 前首相「安倍流の指揮権発動になりかねない大問題」

野田 前総理大臣は記者団に対し、「安倍流の指揮権発動になりかねない大問題だ。新型コロナウイルス対策に全身全霊をささげ、集中しなければいけない中、法案の内容は筋が悪いし、やり方もたちが悪い。断固抗議しなければいけない」と述べました。