院静岡4区補選 自民
新人 深澤陽一氏が当選

与野党が対決する構図となった衆議院静岡4区の補欠選挙は、自民党の新人で公明党が推薦した元静岡県議会議員の深澤陽一氏が、野党4党が推薦した候補らを破って、初めての当選を果たしました。

衆議院静岡4区の補欠選挙の結果です。
▽深澤 陽一 自民 新 当選 6万6881票
▽田中 健 無所属 新 3万8566票。
▽山口 賢三 無所属 新 1887票
▽田中 健 NHKから国民を守る党 新 1747票

自民党が擁立し、公明党が推薦した深澤氏が、立憲民主党、国民民主党、共産党、社民党が推薦した無所属の田中氏らを破り、初めての当選を果たしました。

深澤氏は43歳。静岡市議会議員や静岡県議会議員を務めてきました。

今回の補欠選挙は、新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、各陣営とも集会の開催を控えるなど、異例の選挙戦となりました。

深澤氏は「集会を開かず、人を集めず、いわゆる『3密』を避けて活動していたので全く実感のわかない選挙だった。政府の新型コロナウイルス対策が不十分だという声もあると思うので、人の命や生活をあずかっているという緊張感を持って、しっかりと地方にも対策が行き渡るようにしていきたい」と述べました。

投票率は34.10%で、3年前の衆議院選挙に比べて20ポイント近く低くなりました。

自民 二階氏「政策に対する国民の評価」

自民党の二階幹事長は、記者団に対し、「難しい環境の中、見事に戦い抜き、勝利が得られた。自民党が実行している政策に対する国民の評価だ。自民党と安倍内閣は、この期待に応えるため、あすからの補正予算案の審議でも、しっかりとした結果を残せるよう、気合いを入れて頑張っていきたい」と述べました。また、下村選挙対策委員長は、「政府・与党の新型コロナウイルス対策が一定の評価をされたのではないか」と述べました。

自民 岸田氏「一定以上の理解や評価いただいた」

自民党の岸田政務調査会長は、みずからの派閥の事務総長を務めた望月元環境大臣の後継として戦った深澤氏にビデオ通話で祝意を伝えました。このあと岸田氏は記者団に対し「新型コロナウイルス対策の真っただ中という大変難しい環境で勝利した深澤氏に敬意を表したい。望月氏の思いをしっかり受け継ぎ、国政の場で努力してもらいたい」と述べました。そのうえで、「選挙戦を振り返ると、政府の新型コロナウイルス対策は、多くの皆さんから一定以上の理解や評価をいただいたと受け止めている」と述べました。

公明 佐藤氏「感染拡大対策 経済対策 一定評価された」

公明党の佐藤選挙対策委員長は、「今回の選挙戦は、新型コロナウイルスに伴う緊急事態宣言下で実施された初めての国政選挙であり、政府・与党の対応への評価が問われた。その結果、深澤氏が勝利できたことは、感染拡大防止対策や全国すべての人への一律の給付金などが盛り込まれた経済対策が一定の評価をされたものと思う。深澤氏には、感染拡大防止と収束に全力を尽くし、共に取り組んでいくことを期待する」という談話を発表しました。

立民 長妻氏「取り組み検証して次の選挙へ」

立憲民主党の長妻選挙対策委員長は、「野党統一候補として推薦した各党・各団体が、お互いの連携を図りながら、SNSの活用を最大限追求するなど、緊急事態宣言のもとで実施可能なさまざまな取り組みを展開したが、残念な結果となった。今回の補欠選挙の取り組みを検証して次の選挙への糧とし、政権交代を目指す一層の取り組み強化に努めていく」という談話を発表しました。

国民 岸本氏「遊説に出られず隔靴掻痒」

国民民主党の岸本選挙対策委員長は、記者団に対し「党幹部や国会議員が遊説に出られず、SNSを使うなどできるかぎりのことをしたが及ばなかった。隔靴掻痒(そうよう)、靴の上から足をかくような思いだった。生身の人間どうしが触れ合う選挙の重要性も再認識した。安倍政権に対し、野党が一緒に戦う体制が組めたので、今後もホップ、ステップ、ジャンプと協力していきたい」と述べました。

共産 穀田氏「野党共闘ができたことが財産」

共産党の穀田選挙対策委員長は、NHKの取材に対し、「新型コロナウイルス対策で、選挙戦を十分に展開できなかったことが大きな弱点となり、客観的にはハンデだったかもしれないが、それを乗り越えるさまざまな工夫を通じて一体感が出た。静岡で初めて野党共闘ができたことで、大きな財産を得た。新たな前進、新たな土台を作ったと思う」と述べました。

社民 吉田氏「十分な選挙戦が展開できず」

社民党の吉田幹事長は、「休業や外出の自粛が要請される中、野党幹部や国会議員が応援に入れなかったことなどで十分な選挙戦が展開できず、一歩及ばなかった。野党が候補者を一本化して闘った貴重な成果をさらに深化させ、安倍政権を追い込み、次の衆議院選挙で政権交代の道筋を切り開くため力を尽くしていく」という談話を発表しました。