元号原案「英弘」「久化」
「広至」「万和」「万保」

新元号の選定作業で、政府が示した6つの原案すべてが明らかになりました。新元号に決まった「令和」以外は、「英弘(えいこう)」、「久化(きゅうか)」、「広至(こうし)」、「万和(ばんな)」、「万保(ばんぽう)」の5つの案でした。

新元号の選定にあたって政府は、考案を委嘱した専門家から提出された候補名を、読みやすく、書きやすいなどの「元号選定手続」に定められた留意点に沿って絞り込み、1日、「元号に関する懇談会」などに6つの原案として示しました。

関係者によりますと、「英弘」は日本の古典を、また「広至」は日本と中国の古典の両方を典拠、いわゆる出典にしているということです。

また政府は、およそ2か月前から新元号の候補名を絞り込む作業を進め、発表の1週間ほど前には原案の数を6つに決めていたということです。

さらに6つの原案は、一枚の紙に典拠とともに五十音順に並べた形で懇談会の有識者などに示され、多くから「令和」を推す意見に加え、出典を日本の古典にするよう求める意見が出されたということです。

これを受けて、全閣僚会議では、杉田官房副長官が懇談会では「令和」に支持が集まったことを説明したあと、複数の閣僚が意見を述べましたが意見集約は行われず、最終的に安倍総理大臣に一任する形で「令和」が新元号に決まりました。

一方、「令和」の考案者は明らかにされていませんが、専門家の間では、万葉集が専門で、京都の研究機関の名誉教授を務める国文学者を有力視する意見が出ています。