成の大合併」財政の
特例措置18兆5000億円に

いわゆる「平成の大合併」を進めるため、国が自治体に行った財政の特例措置の総額が18兆5000億円に上ることが、専門家の試算で初めて明らかになりました。今後、こうした特例が終わる自治体が増えることから、専門家は合併の効果の検証が必要だと指摘しています。

平成11年から始まった平成の大合併によって、全国でおよそ3200あった市町村の数は、10年余りでおよそ1700と、ほぼ半減しました。

国は合併を促すため、合併した市町村や都道府県に対し、財政の特例措置を設けてきました。

施設建設のための借金を国が7割負担したり、10年間、地方交付税を増額したりするもので、合併した多くの自治体で新たな庁舎や文化施設などが建てられました。

一方、国はこうした特例措置の総額を把握しておらず、拓殖大学と新潟大学の研究者が集計、試算したところ、合併がピークを迎えた平成17年度から、28年度までで、およそ18兆5000億円に上ることがわかりました。

総務省によりますと、合併した自治体1割ですでに特例が終わり、残りの9割も地方交付税が徐々に減額される期間に入っているということです。

試算した拓殖大学政経学部の宮下量久准教授は「特例措置が切れれば、自治体は歳出を減らすなど住民に負担を強いる部分も出てくる。国や自治体が合併の効果を検証するとともに、住民も自分たちの町がどうあるべきか改めて考える必要がある」と指摘しています。