「舞いあがれ!×Myアガれ」③壱岐の鬼凧(おんだこ)
- 2023年02月10日
連続テレビ小説「舞いあがれ!」で主人公・舞が空を飛ぶ夢を抱くきっかけになった、ばらもん凧。実は、壱岐にも空から人々を見守る伝統の凧があるんです。その凧に魅了された人を取材しました。
NHK長崎放送局アナウンサー 嶋田ココ
壱岐のまちを彩る鬼凧
壱岐の伝統工芸品・鬼凧(おんだこ・おにだこ)。鬼を退治しようと勇敢に立ち向かう武者とそのかぶとにかみつく鬼の姿が描かれています。
その昔、5万もの鬼が住んでいたという伝説が伝わる壱岐。悪行を繰り返す鬼を退治しようと壱岐にやってきた武者の百合若大臣の戦いをモチーフにしたといわれています。
壱岐のまちなかにはいたるところに鬼凧が。
鬼凧は壱岐の人々にとってお守りのような存在なんだそう。
島唯一の工房を営む鬼凧職人 斉藤あゆみさん
そんな鬼凧を愛してやまない人がいるということで、訪ねました。
鬼凧職人の斉藤あゆみさん。4年前まで福岡で暮らしていましたが、壱岐へUターンし祖父母の跡を継ぎました。島で唯一の工房を営んでいます。
斉藤あゆみさん
「壱岐に帰ってきてから鬼凧って深いな。なくしたくないなって思ったんです」
工房を継いでから、斉藤さんは大好きな鬼凧を広めるため若者をターゲットにしたSNSでの発信に力を入れています。さらに、いつでも鬼凧を持ち歩けるようにと携帯サイズのステッカーを制作するなど鬼凧づくしの日々を送っています。
斉藤あゆみさん
「仕事しているときは6~7時間くらいあっという間に時間が過ぎちゃいます」
「Myアガる!」ポイント①
『きりっと輝く武士の目』
そんな斉藤さんの「Myアガる!」ポイントを教えてもらいました。
斉藤あゆみさん
「目が離れていたりとか、近すぎたりとかで表情が変わるんです。なので武士の目は最後に描いて決まるようにしています」
斉藤さんが描いた武士の目と祖父・明丈さん描いた武士の目です。どちらもきりっとしているように見えますが、目つきによって印象が変わりますね!
斉藤あゆみさん
「おじいちゃんの凧は目だけで力強さが伝わってくるので、カッコいいなって思います。いつもおじいちゃんの凧を横に並べながら、釣り上げるようにすると力強い目になるかなと意識して描いています」
壱岐の鬼凧の出来を左右する武士の目。斉藤さんはどんな目が描けたときに「Myアガる!」のでしょうか?NHK長崎のアナウンサーだと誰の目が近いのか、聞いてみました。
そうですね~。佐藤誠太アナ!一番目力がありますね!
「Myアガる!」ポイント②
『青空と鬼凧のコントラスト』
つづいての「Myアガる!」ポイントは鬼凧を飛ばした姿にあります。
青空に映えるようにと祖父・明丈さんがこだわりを持っていた赤い色が空に浮かぶ瞬間です。
鬼凧は風が弱すぎても強すぎても飛びません。しかし、この日は無事に飛ばすことができました。鬼凧が風に立ち向かっているようで力強くてかっこよかったです。
斉藤さんは、舞いあがる凧をみて壱岐の鬼凧を後世に繋いでいきたいと気持ち新たにしていました。
斉藤あゆみさん
「おじいちゃんと一緒に飛ばしたことを思い出します。おじいちゃんも空から見てるような感じがして、頑張ろうっていう気持ちになります。若い子たちにも、もっと鬼凧を知ってもらいたいです」