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長崎コラボ!前川清 さだまさし作詞作曲で55周年

NHK長崎 新春ちゃんぽんインタビュー
  • 2023年02月02日

長崎県佐世保市出身で歌手の前川清さんです。デビュー55周年を記念した新曲「昭和から」は、同じく長崎出身のさだまさしさんが作詞作曲しました。ふるさとへの変わらぬ思いや連続テレビ小説「舞いあがれ!」出演の裏話について話を聞きました。

デビュー55周年も“きょう”を大切に

あけましておめでとうございます。前川清です。
ことしの目標は「きょう」という言葉にさせていただきました。「ことしの抱負は?」とか「夢は?」とか言われますですけど、私もことし55年目を迎えまして、いままでやっぱり「夢」というよりも「きょう一日」というのが大事で。きょうを大事にして、一生懸命歌って「よかった」と言ってもらえたら、明日また次につながる仕事もできる。そういう気持ちで55年間やってきたものですから。

長崎の坂が会話を生む

長崎の良さってね、「人」なんですよ。そして会話がいいんです。
なんでかというと、長崎は坂が多い。おじいちゃんおばあちゃんの家は山の上です。そうすると、一歩一歩上がっていきます。一気に上がれないから途中で休憩所みたいなベンチがあります。そこに座って、「は~」と一息ついて、また上って帰る。そのときにおばあちゃん、おじいちゃん同士の会話が始まるんですよ。人様がきたときにも会話に加えてあげたり、温かい話が長崎にはあります。旅は人との出会いが一番なので、長崎に来たら出会ったおじいちゃん、おばあちゃんと「私たちはどこからきたんですよ」「おばあちゃんどこですか」、そういった会話をしていただいて。長崎の人のよさを観光客の人には味わっていただきたいなと思っております。

朝ドラ出演の決め手は「長崎弁」

出演した「舞いあがれ!」の放送後、反響がすごくて。僕はなんてことなくて「わあ恥ずかしい」「ちょっとの間だけ」といったものが、周りの人は「出てましたね」と。出演すると事前に言わず、みなさんいきなり見られたからビックリなさったんじゃないですかね。
役者というのはコントや舞台ならいいんだけれど、テレビでせりふを言うとなると、僕はなまりがひどいんですよね。ドラマとか何回か出させていただいたけど、大阪弁だったり標準語だったりといわれると、自分が何をしゃべっているかちんぷんかんぷんになって一番困る。ですけど今回は、(NHK側から)「長崎弁でいい」と。五島の言葉というのは長崎弁と一緒ですから「だったら大丈夫かも」ということで出演させていただきました。

なまっているのはクールファイブのせい?

これ(=ずっとなまっているのは)ね、グループでいたでしょ?クールファイブ。だから標準語をしゃべったりすると(メンバーに)ばかにされるんですよ。「なに気取って、都会人じゃないくせに都会ぶって」とかね。だから「なんばいいよっとか!」とかいって。俺たちは九州弁を大切にしているのではなくて、そこから抜けきれない。やっぱりクールファイブというメンバーがいましたから。1人の仕事だったらまた発声、発音も違っているんでしょうけど、グループでいたからみんなが九州弁でズルズルズルとここまできたということですね。

作詞作曲は同郷 さだまさしさん

55周年記念シングルは同じ長崎出身ということで、さだまさしさんに作っていただきました。私は「さだやん、さだやん」と呼ばせていただいていますが。黒いダイヤル、伝言板、今のスマホの時代とは違う昭和のよき時代。「原っぱに出てなんとなく空を見ていると涙がこぼれた」とか、「お前の分まで生きてやるぞ」とか、こうなんとなく酒を酌み交わすとか。さだやんならではの温かい、ちょっと涙が出そうになる、いい作品を作っていただきました。
やっぱり長崎をにぎやかにしたい、盛り上がってもらいたいという気持ちはさだやんも私も思いは一緒ですね。懐かしいというよりも長崎がずっといい雰囲気の中で、いい景色の中でにぎわってもらいたいという思いがみんなあるような気がします。

ニセ電話詐欺 だまされないで

「誰も悪い人はいない」「もうよか人ばっかり」という思いのおじいちゃん、おばあちゃんが多いのでね。今は「ちょっと待て」、「昭和の時代とちょっと違うんだ」と。電話がかかったときに息子だと言われても「もしかしたら詐欺かも?」という危機感を抱いて、注意しないといけないんじゃないかと思っております。電話があった、じゃあ銀行にいってくれ、通帳を持ってなにか番号を教えてくれ、ということ自体、自分の子どもだったらまずしません。本当の子どもだったら家へいって「母ちゃん困っているんだ」ってまずは顔を見る。電話というものを信用しない。絶対にだまされてはいけません!私は息子に金を出すとかはないですからね。「自分で飯を食え。困ったときは親に電話するな。一歩家を出たら何があっても自分で生きていけ」という性分ですから(笑)。

取材後記
去年4月、NHK長崎へ赴任した私は、半年ほど経った夏、北海道に帰省していました。札幌市内の飲食店で知人と会っていたときに入ってきたのが、“あの”前川清さんでした。長崎県警察本部の広報大使を務める前川さん。「ニセ電話詐欺」防止キャンペーンのポスターでその姿を毎日のように見ていた私は「郷土での被害を防ごうと声を上げる前川さんに直接インタビューしたい」という思いを募らせていました。そこで「このチャンスを逃したら二度と会えないかもしれない」と“記者魂”が燃え、インタビューの機会を調整させてほしいとお伝えすると、気さくに応じてくださったのです。
約束から4か月後、インタビューは前川さんのディナーショーの合間に実現しました。疲れているにもかかわらず、前川さんは軽妙な話しぶりで、私が投げかける質問に丁寧に応じてくれました。インタビューの最後、「あの時、札幌で会ってから、本当にインタビューが実現するとはね」と笑顔、そのお人柄に感謝です。

札幌でお会いした際に一緒に撮っていただきました!
  • 松本麻郁

    長崎放送局記者

    松本麻郁

    NHK北海道のキャス・リポ 民放記者を経てNHK記者へ 
    ・北海道出身
    ・好きな歌手
     竹内まりや

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