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Q21 誰もマンション管理組合の役員になりたがりません

クローズアップ現代で継続取材してきた『住まいの問題』。視聴者の皆さまからも数多くのお悩みが寄せられました。そこで今回、専門家協力のもと、2ヶ月の間お答えしつづける「お悩み相談マラソン」に挑戦します。今回寄せられたのは「誰もマンション管理組合の役員になりたがらない」というお悩み。マンション管理の専門家に聞きました。
(NHK『住まいの問題』取材チーム)

相談内容

マンション管理組合の役員のなり手がいなくて困っています。

回答

“ 役員のなり手不足には4つの対応策があります ”

解説

(マンションみらい価値研究所 所長 久保依子)

役員のなり手不足問題にはいくつかの対応策があります。主には次の4つです。

(1)役員に就任できる人の範囲を拡大する
現に居住する所有者に限られている場合は、外部に居住する所有者、さらには所有者の配偶者や親族に拡大し、理事になることができる人を増やす。

(2)役員定数を減数する
今まで役員が7人であれば5人に減らすなど、少数でも理事会が成立するようにする。

(3)役員報酬を支払う
役員に就任した人に一定額を支払う。年間1万円前後の事例が多いです。

(4)第三者管理者方式を導入する
マンション管理士や管理会社など所有者以外の者を管理者とし、理事会を廃止する。上記(1)から(3)のいずれを採用してもなり手がいないときに検討されることが多いです。ただし、管理会社の管理者就任は問題点もあり、国土交通省のガイドライン設置が待たれています。

いずれにしても、役員の仕事が「やりたくない」「面倒だ」というネガティブな発想でとらえられている限り、なり手不足問題は解決しません。この役割をもっと魅力的にするにはどうしたらよいかを同時に考えることが必要です。例えば、現役サラリーマンには人気の“異業種交流会”を取り入れてみてはどうでしょうか。役員の間で差し支えない範囲でお互いがどんな仕事をしているのか明かし、理事会の開催とあわせて異業種交流会を開催するなど「理事会に行ってみたい」「役員をやってよかった」と感じられる場づくりを行うのもひとつの手かと思います。

久保依子(マンションみらい価値研究所 所長)
1989年リクルートコスモス(現コスモスイニシア)入社、1992年コスモスライフ(現大和ライフネクスト)転籍。マンションの販売、仲介、管理のすべての分野に携わる。現在はマンション管理分野では初の研究所の所長を務める。一般社団法人マンション管理業協会の業務法制委員会委員や、国土交通省のマンション施策に関する検討会専門委員にも就任。

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