Q19 初めての大規模修繕、業者の言い分をうのみにして大丈夫?
クローズアップ現代で継続取材してきた『住まいの問題』。視聴者の皆さまからも数多くのお悩みが寄せられました。そこで今回、専門家協力のもと、2ヶ月の間お答えしつづける「お悩み相談マラソン」に挑戦します。今回寄せられたのは「大規模修繕の費用などについて、業者の言い分を信用して大丈夫か」というお悩み。マンション管理の専門家に聞きました。
(NHK『住まいの問題』取材チーム)
相談内容
物価高の影響で修繕費が足りないという話になっているのですが、理事会が業者のカモにされているのではと不安です。大規模修繕は今回が初めてです。
回答
“ 国土交通省の各種ガイドラインをぜひ参考に。相談窓口もあります ”
解説
(マンションみらい価値研究所 所長 久保依子)
まず、「業者のカモにされているのではないか」というご不安についてお答えします。工事を実施しているのが管理会社であれば、担当者に疑問点を直接聞いてみてはいかがでしょうか。所有者であれば管理会社に連絡をとることができます。また、大規模修繕工事の実施前には、住民説明会や総会が開催されると思います。その場で聞いてみることもできます。不安に思うだけでは進みません。直接の対話をおすすめします。
工事業者が修繕等のコンサルティング会社の場合、国土交通省が発出している「設計コンサルタントを活用したマンション大規模修繕工事の発注等の相談窓口の周知について(通知)」を参照してみてください。
参考 国土交通省HP マンション管理について (ページ内に「設計コンサルタントを活用したマンション大規模修繕工事の発注等の相談窓口の周知について」へのリンクあり※NHKサイトを離れます
すでに業者とトラブルになっているのであれば、相談窓口を活用しましょう。また、こちらの通知では具体的な不適切事例が紹介されています。今はトラブルに至っていなくても、当てはまるような事例が万が一あれば、理事会に相談してみましょう。
それから積立金についてですが、ご相談のマンションは、第1回大規模修繕工事ですでに資金が不足しているとのこと。この場合、第2回の修繕工事に向けて、積立金を値上げしなければならないことはほぼ確実だと思われます。今回の工事をきっかけにして長期修繕計画をしっかりと見直すことをおすすめします。
金額については、国土交通省の「マンションの修繕積立金に関するガイドライン」を参考にするとよいでしょう。
参考 国土交通省HP マンション管理について (ページ内に「マンションの修繕積立金に関するガイドライン」へのリンクあり)※NHKサイトを離れます
今、ご自身で支払っている積立金÷専有面積=㎡単価を計算してみてください。ほか、機械式駐車場があればその台数を確認します。その数値をガイドラインと照らし合わせれば、積立金の額がどのくらい不足しているのか判断する目安となります。
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