Q17 予定外の細かな修理が重なり、修繕積立金が不足しないか不安
クローズアップ現代で継続取材してきた『住まいの問題』。視聴者の皆さまからも数多くのお悩みが寄せられました。そこで今回、専門家協力のもと、2ヶ月の間お答えしつづける「お悩み相談マラソン」に挑戦します。今回寄せられたのは「修繕積立金が十分足りているかどうか確認するにはどうしたらいいか」というお悩み。マンション管理の専門家に聞きました。
(NHK『住まいの問題』取材チーム)
相談内容
予定外の細かな修理で出費が続き、今後の長期修繕に影響が出ないか心配。修繕積立金が十分足りているかどうか確認するにはどうしたらいいか。
回答
“ まずは長期修繕計画書と資金計画書を確認することから始めましょう ”
解説
(マンションみらい価値研究所 所長 久保依子)
管理会社に管理を委託されているマンションなら、管理会社の担当者に資金計画がどうなっているか聞いてみましょう。
自主管理のマンションあるいはご自身で調べたいということであれば、まず長期修繕計画書と資金計画書を確認します。
お手元にない場合は、売買の際に不動産会社から渡された重要事項説明書を探してみてください。付属書類として長期修繕計画、資金計画書が添付されていることが多いです。
それでも見当たらないときは、管理組合に閲覧請求をしてみましょう。手続きの方法は管理規約に記載があります。たいていの場合は、氏名や閲覧したい書類の名前を書いて理事長に提出することになります。「閲覧請求」というとなんだかものものしい感じがしてやりにくければ、理事長のお宅を訪問して「このマンションのことを教えてください」とお願いしてみるのもいいかもしれません。
大規模修繕工事は長期修繕計画に基づいて実施されますから、それらの書類を見れば、いつ頃に修繕工事をするのか、今の積立金で足りているのかがおおよそわかります。ご質問にあるような工事が長期修繕計画に含まれているのか、いないのかも判別できるでしょう。ほとんどの長期修繕計画書は国土交通省の「長期修繕計画ガイドライン」に基づいて作成されています。このガイドラインを見ると、表の見方や修繕工事の考え方がわかりますのでぜひ参考にしてみてください。
なお、積立金が不足している場合は、段階的に値上げしてく方法と、一時金を徴収する方法があります。どちらにするのかは今後の管理組合の総会の決議によりますから、総会には積極的に参加するようにしましょう。
参考 国土交通省HP マンション管理について (※ページ内に「長期修繕計画標準様式、長期修繕計画作成ガイドライン」へのリンクあり※NHKサイトを離れます
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