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Q7 介護施設に入った親の家をどうするか・・・手つかずで10年

クローズアップ現代で継続取材してきた『住まいの問題』。視聴者の皆さまからも数多くのお悩みが寄せられました。そこで今回、専門家協力のもと、2ヶ月の間お答えしつづける「お悩み相談マラソン」に挑戦します。今回寄せられたのは「10年前に介護施設に入った親の家をどうするか」というお悩み。NPO法人 空家・空地管理センターの専門家に聞きました。
(NHK『住まいの問題』取材チーム)

相談内容

一人暮らしの親が施設に入り、どこに相談していいかわからず荷物もそのままであっという間に10年経ちました。空き家がある市に相談できるところがあるかもわかりません。解体するにしてもどこに相談していいかわかりません。わからないことだらけです。

(山形県/性別未記入/70歳)

回答

“ 適正な管理はできていますか? まずは向き合うことが大事です ”

解説

(NPO法人 空家・空地管理センター 上田真一)

親御さんが施設に入居する前に、この家の将来について家族で話し合ったことはありますか?基本的には親の所有物を子ども達が勝手に処分することはできません。そのため、相続が発生するまでは、適正に管理するしかありません。

人が住まなくなった家は急速に傷んでいきます。湿気がこもり、建具の傷みに繋がり、害虫や害獣も発生することで、一気に老朽化が進みます。老朽化した空き家の解体は危険な作業となり、機械では行えない可能性があります。その場合、人力での解体作業になるため、解体費も上がってしまうのです。

空き家の管理を継続することは非常に大変です。そのため、できるだけひとりで抱え込まないようにしましょう。兄弟姉妹がいるならば必ず相談しましょう。兄弟がいない場合は、自治体の窓口や近所の方に相談してみましょう。

元気だった親が衰えていくことは子どもにとって寂しいものですが、時がたてば少しずつ受け入れて前を向くこともできます。ただ、空き家対策においては時間は敵。「わからないから」と思考を停めることは、いっとき気楽にはなっても、さらに状況を悪化させるだけです。まずは向き合うことが大事。自治体から指導されるような管理ができていない空き家にならないよう、古くても使用できる住宅を維持することが大切です。

上田真一(NPO法人 空家・空地管理センター代表理事)
2013年 NPO法人設立。全国で空き家などの適正管理や利活用に取り組む。
東村山市空家等対策協議会副会長など、複数の自治体で空き家対策に関する協議会委員も務める。
『あなたの空き家問題(日本経済新聞出版社)』著者。

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