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Q3 田舎の空き家は売れない? 手放すためには何から始めれば・・・

クローズアップ現代で継続取材してきた『住まいの問題』。視聴者の皆さまからも数多くのお悩みが寄せられました。そこで今回、専門家協力のもと、2ヶ月の間お答えしつづける「お悩み相談マラソン」に挑戦します。今回寄せられたのは「田舎の空き家は売れないのでは?」というお悩み。どうすればいいのか。NPO法人 空家・空地管理センターの専門家に聞きました。
(NHK『住まいの問題』取材チーム)

相談内容

何からやっていいのかわからない。手放したいが、不便な田舎で買い手がつかない地域だと不動産屋に言われ、そのままになっている。

(愛知県/女性/55歳)

回答

“ 諦めないで!すぐには売れなくても空き家バンクを活用しましょう ”

解説

(NPO法人 空家・空地管理センター 上田真一)

質問内容に詳細がないため質問者の方の状況がはっきりとわからないのですが、「相続した実家をどうしたら・・・」と悩まれているケースでは、名義が誰なのかなど、空き家の情報を正しく把握していない人が多いです。当センターに寄せられた相談の中でも「土地も建物も父親のものと思っていたが、土地は他人のもの(借地)だった」と後から判明した方もいらっしゃいます。

まずは空き家の情報を把握するために、法務局で登記簿謄本(登記事項証明書)を取得してみましょう。登記簿謄本は誰でも、どこの自治体の法務局窓口あるいはオンラインでも取得することができます。これを見れば、誰がいつこの物件を購入したのか、土地や建物の名義がどうなっているのか、土地の大きさ(地積)や地目、抵当権等の担保権の有無などを確認することができます。調べてみると、すでに亡くなった方の名義だったというケースも・・・。その場合は、亡くなった方から相続人に所有権の移転を行います。この手続きを相続登記といいます。相続登記は自分で行うこともできますが、戸籍謄本等申請に添える書類を準備するのは、時間と手間を要します。時間に余裕のない方は、最初から司法書士などの専門家に任せることも検討してみてください。

さて、なかなか買い手がつかない地域とのことですが、諦めずに複数の不動産会社に相談してみてください。不動産会社も千差万別です。得意不得意があります。1社だけの意見で決めてしまわず、いろいろな会社の話を聞いてみましょう。

同時に、自治体が運営している「空き家バンク」にも登録することをおすすめします。「空き家バンク」を利用する物件所有者や移住者・定住者に対しさまざまな補助制度を用意している自治体があります。制度をうまく利用しつつ、売却活動を行いましょう。

もしかすると、売却までには長い時間がかかるかもしれません。その間は家の手入れを怠らないことが大切です。建物が廃れると、さらに買い手が遠のいてしまいます。気長に待つことになりますが、さまざまな方法を使って建物の情報がより多くの人の目に触れるようしておくことが大切です。

上田真一(NPO法人 空家・空地管理センター代表理事)
2013年 NPO法人設立。全国で空き家などの適正管理や利活用に取り組む。
東村山市空家等対策協議会副会長など、複数の自治体で空き家対策に関する協議会委員も務める。
『あなたの空き家問題(日本経済新聞出版社)』著者。

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