詳しい内容は、きょうの健康テキスト 2019年2月号に詳しく掲載されています。

- テキストのご案内
※品切れの際はご容赦ください。 - 購入をご希望の方は書店かNHK出版お客様注文センター
0570-000-321まで - くわしくはこちら
更新日
うつ病ではこれまでできていたことができなくなったり、活気がなくなって自宅に引きこもりがちになったりすることがあります。こうしたことから高齢者のうつ病は認知症と間違われてしまうことも多いのです。高齢者のうつ病と認知症では、発病のきっかけや初期の症状、症状の特徴、進行のしかたに違いがあります。
高齢者のうつ病のサインまず、高齢者のうつ病の場合、発病に際して何らかのきっかけを認めることが比較的多くあります。初期の症状では、不眠や食欲低下、あるいは体調不良が目立ちます。
一方、「認知症」では、物忘れなどの記憶障害が目立ちます。うつ病でも集中力が低下し、物事を覚えられなくなってしまうことがありますが、うつ病ではそのことに悩むことが多いのに対し、認知症では物忘れを否定する傾向が多くみられます。
症状の進行ではうつ病の場合、大きなストレスなどをきっかけに、数週間から数か月単位で進行することが多いのですが、認知症、とくにアルツハイマー型認知症やレビー小体型認知症の場合は、数年間かけてゆっくり進行します。これらの病気では、脳内の変性(病的な変化)がゆっくり生じることで、病気の症状が進行するためです。
その他の症状の特徴としてわかりやすいものは、うつ病の場合、お金がなくなって立ち行かなくなってしまうと信じる貧困妄想や、体のことをくよくよ悩む心気(しんき)妄想が現れることがあります。一方、認知症では、誰かが家の中に入ってきているという侵入妄想や、ものを盗まれていると思い込む「ものとられ妄想」がみられることがあります。
「認知症の症状」についてはこちら認知症以外のうつ病に似た症状を起こす病気高齢者の場合、認知症など他の病気との鑑別が必要となります。実際にはうつ病と認知症が合併することもありますし、また内科系の病気や脳外科系の病気で意識が障害されていることで、うつ病や認知症と誤解されている場合もあるので、医療機関などで詳しい診察と検査を行います。
詳しい問診、例えば、記憶について質問を行ったり、文章や図形を書いてもらったり、計算をしてもらうなど、さまざまな認知機能の障害の有無や、その程度を調べます。
血液・生化学的検査では、体内の電解質やホルモンのバランスの異常、あるいは隠れた内科系の病気など、認知機能に影響を与えるものがないかどうかを調べます。
脳画像検査(CT検査・MRI検査など)でも、認知機能に影響を与えるような脳の中の異常、たとえば萎縮や脳梗塞、脳出血の後遺症、あるいは脳腫瘍などの有無や程度をみます。
脳波検査は簡便に脳の働きを見ることが出来る検査であり、脳機能の低下の有無や、上記の検査で表れた異常が脳機能に及ぼす影響、あるいはてんかん性の異常の有無などについて調べます。
詳しい内容は、きょうの健康テキスト 2019年2月号に詳しく掲載されています。