注意が必要な中等症・重度のうつ病とは?診断基準と治療方法・期間

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中等症・重症のうつ病

中等症・重症のうつ病

うつ病は患者さんに現れている症状によって診断されます。診断基準となる症状が、ほとんど一日中、ほとんど毎日、2週間以上続き、また仕事や家庭などに著しく影響が出ている場合にうつ病とされます。

うつ病の診断基準1

  • 憂うつ、気分の落ち込みがある
  • 興味や喜びの喪失

うつ病の診断基準2

  • 食欲の異常
  • 睡眠の異常
  • そわそわする、または体が重い
  • 疲れやすい
  • 自分を責める
  • 思考力・集中力の低下
  • 死にたいと思う

診断基準1のどちらか1つを含み、診断基準2の6~7つの症状が当てはまる場合を中等症のうつ病、8つ以上当てはまるのが重症と診断されています。ただし、これはあくまでも目安で、症状の数だけで重症度を判断することはできません。

例えば、当てはまる症状の数が少なくても「死にたいと思う」症状が強く出ている場合には注意が必要になります。また、家族が受診をすすめても拒否する、あるいは食事や水分を取らないなど、生活にも著しい支障をきたしている場合、緊急性が高く、生命の危険が差し迫っているといえます。適切な治療を受けるためにも、専門医による正しい診断を受ける必要があります。

中等症・重症のうつ病の治療の進め方

中等症・重症のうつ病の治療では、軽症のうつ病に行われる「心理教育」「支持的精神療法」のほか、多くの場合薬物療法が行われます。また、うつ病の治療は「急性期」「回復期」「再発予防期」の3つのステップに分けて進めていきます。

うつ病の治療ステップ「急性期」

急性期は、気分の落ち込みや不安などつらい症状を改善する期間です。多くの場合、薬物療法が行われますが、薬には治療に役立つ主作用のほかに副作用が現れることが多いので、次の2つのポイントを確認しておくことが大切です。

治療開始前の薬に関する十分な知識
治療を開始する前に抗うつ薬の主作用、副作用、などについて医師や薬剤師と十分に話し合い、お互いの信頼関係の構築をしていきます。
抗うつ薬を1種類選び、少量からスタート
副作用の中で患者さんにとって有害なものを「有害作用」といいます。不快な有害作用を最小限に抑えるため薬は基本的に1種類にして少量から始めます。早く治したいという気持ちは患者さんにも医師にもありますが、1つ1つの有害作用を見極めながら治療を進めていくことが大切です。薬の主作用が現れるのは個人差がありますが、4~8週間服用して判断します。

うつ病の治療ステップ「回復期」

回復期は、症状が落ち着き、元の生活に戻していくまでの期間です。症状が落ち着いたあとも抗うつ薬は、急性期をのりきった量を服用します。毎日の生活では、生活リズムを整えていきます。「1日3食きちんと食べる」「起床時間を一定にする」「散歩をする」といったことを心がけます。徐々にできることを増やし、ゆっくりと元の生活に近づけていきます。

うつ病の治療ステップ「再発防止期」

再発防止期は、うつ病の再発を防ぐことが目的となる期間です。薬をやめる時期は、患者さんの希望を聞きながら総合的に判断します。再発が起きやすいのは、無理をした場合や、自己判断で薬の服用をやめてしまった場合です。「急性期」に出ていたような症状が見られた場合はすぐに担当医に相談しましょう。

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うつ病のQ&A