見えた!受精から出産まで "赤ちゃんの神秘"

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私たちのはじまりは、「受精卵」というたった1つの細胞です。この受精卵が母親の子宮の中で分裂を繰り返しながら、さまざまな細胞に分かれ、臓器をつくり、体がひとりでにつくり上げられていきます。

精子が卵子に侵入することで受精卵となりますが、新しい命が生まれるのは、受精卵の中で、遺伝子情報をもつ父親の染色体と母親の染色体が合わさったときです。番組ではこの瞬間をとらえた映像を紹介しました。

受精卵の画像。緑色は母親の染色体、オレンジ色は父親の染色体。この後、両者の染色体が並ぶことで子ども独自の染色体がそろう。(画像:山縣一夫・近畿大学)
受精卵の画像。緑色は母親の染色体、オレンジ色は父親の染色体。この後、両者の染色体が並ぶことで子ども独自の染色体がそろう。
(画像:山縣一夫・近畿大学)

受精卵からの"メッセージ物質"が妊娠検査に使われる

受精卵が生き続けるためには、まず子宮に着床しなければなりません。そこで大切なのが、受精卵が出すメッセージ物質、hCG。このメッセージ物質は、母親の卵巣などに働きかけます。すると受精卵がしっかり着床できるように子宮の内膜が厚くなり、生理(月経)が止まるのです。

hCGは、母親の血流に乗って全身をめぐります。実は、母親の血液中に含まれるhCGの量は、着床したかどうかを調べる検査に用いられています。妊娠判定の目安は、受精3週目(妊娠4週)頃で100mIU/mL以上とも言われています。血液中に含まれるhCGは、尿にも出てきます。尿による妊娠検査薬は、hCGに反応するようにつくられているのです。この妊娠反応は、正常な妊娠でない場合でも検出されるため、妊娠の可能性がある場合は、産婦人科で確認することが大切です。

黄色い物質がhCG。受精卵でつくられ、母親の血流に乗って、全身をめぐる。
(画像:アリ・ブリバンロー・ロックフェラー大学(受精卵画像))

受精7週目〜12週目にかけて臓器ができる

妊娠の可能性があるときは、超音波診断装置で診断します。まず確認するのが心臓の動き"心拍"です。早い場合には、受精5週目(妊娠6週)に、超音波でその動きを確認できることもあります。超音波診断装置の進歩で、赤ちゃんがお母さんのお腹に宿ってから出産するまで、妊娠期間中のさまざまな様子が映像で確認できるようになりました。

超音波でとらえた胎児の姿。それぞれ受精齢で示している。受精5週目は、通常使われている月経齢で妊娠6週となる。(画像:馬場一憲・埼玉医科大学総合医療センター)
超音波でとらえた胎児の姿。それぞれ受精齢で示している。受精5週目は、通常使われている月経齢で妊娠6週となる。
(画像:馬場一憲・埼玉医科大学総合医療センター)

その後、手足の形だけでなく、体の中ではさまざまな臓器がつくりあげられていきます。とくに受精7週目から受精12週目頃に多くの臓器がつくられ始め、その後、臓器はさらに成熟していきます。

今回、番組では、主に発生学で用いられる「受精齢」を使って受精卵・赤ちゃんの成長の経過を紹介しています。受精した日が受精第1週1日目。この日は、産婦人科などでよく使われている「月経齢」であらわすと、妊娠2週0日に相当します。赤ちゃんがお母さんのお腹の中で育つ期間を「10月10日(とつきとおか)」ということがありますが、これは「月経齢」であらわした期間です。これは、お母さんの最後の生理(月経)がはじまった日(最終月経日)=妊娠0週0日から数えています。

この記事は以下の番組から作成しています

  • NHKスペシャル 放送
    NHKスペシャル「人体」第6集 “生命誕生”見えた!母と子 ミクロの会話

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