赤ちゃんの「胎盤」と母親の「子宮」が"会話"している

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赤ちゃんとお母さんをつなぐ「胎盤」。実は、この胎盤は受精卵からできたもの、つまり赤ちゃんの一部なんです。ご存知でしたか?番組では、胎盤と子宮の巨大な模型をつくって、胎児になった気分をタモリさんに体験してもらいました。

子宮の模型に入るタモリさん。模型の子宮には胎盤もつくられており、胎盤とタモリさんはへその緒でつながるようにできている。
子宮の模型に入るタモリさん。模型の子宮には胎盤もつくられており、胎盤とへその緒によってタモリさんと胎盤がつながるようにできている

胎盤では60種類以上の"メッセージ物質"がやりとりされている

子宮にくっついた胎盤の中には、お母さんの子宮の血管から送られる血液で満たされた空間「絨毛間腔」があります。ここには、枝のある木のような絨毛(番組では"赤ちゃんの木"と呼びました)が生え、母親と赤ちゃんの血液が混ざり合うことなく、酸素や栄養が赤ちゃんに届けられるようになっています。    

胎盤の中でのお母さんと赤ちゃんのやりとりはそれだけではありません。実は、たくさんの"メッセージ物質"がやりとりされているのです。シンシナティー小児病院のパブリツェフ博士の研究によれば、子宮から胎盤、そして胎盤から子宮へと、60種類以上の"メッセージ物質"が送られていることがわかってきました。

胎盤の内側に生える絨毛を通じて、栄養や酸素のやりとりが行われる。母と子の"メッセージ物質"でのやりとりも行われている

赤ちゃんの細胞が、母親の血管を突き破る!

番組では、これらの"メッセージ物質"の中でも、お母さんから赤ちゃんへ、また赤ちゃんからお母さんへと伝えられる代表的なメッセージを紹介しました。こうした物質のやりとりによって、赤ちゃんが大きく成長できる環境が整えられると考えられています。

さらに、最新研究から驚きの現象が明らかになってきました。カリフォルニア大学サンフランシスコ校のスーザン・フィッシャー教授の研究によると、人間の赤ちゃんが大きくなるために必要なのが、お母さんの子宮の血管・「らせん動脈」の劇的な変化です。その変化を引き起こすのは、絨毛(赤ちゃんの木)にいる赤ちゃんの細胞。絨毛が伸びて子宮の壁に到達すると、赤ちゃんの細胞が子宮に向けて移動を開始。そして、母親の血管(番組では"恵みの窓")に侵入し、その血管の壁を突き破るのです。すると子宮の血管の直径がおよそ10倍に広がり、大量の血液が赤ちゃんに送られて、赤ちゃんが大きく育つことができると考えられています。これらは人間や人間にごく近い仲間(ヒト科)に特徴的な現象だと言われています。

妊娠初期には細かった子宮にある血管(らせん動脈)の直径が10倍にも広がる。広がることで赤ちゃんの成長が進む。
(画像:スーザン・フィッシャー・カリフォルニア大学)

この記事は以下の番組から作成しています

  • NHKスペシャル 放送
    NHKスペシャル「人体」第6集 “生命誕生”見えた!母と子 ミクロの会話

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