手根管症候群とは?

手根管症候群は、手の親指から薬指にかけてしびれや痛みを感じる病気です。
手のひらの付け根の部分の断面を見てみると、「手根管」というトンネルがあります。このトンネルは、手首の骨と靭帯(じんたい)に囲まれていて、その中を9本の腱(けん)と正中神経が通っています。腱を覆う膜や、それぞれの腱を連結している「滑膜」が炎症を起こし、腫れて厚くなると、この正中神経が圧迫されます。正中神経が圧迫されることで指にしびれが起こる病気が「手根管症候群」です。
手根管症候群の症状


手根管症候群の特徴的な症状は、「小指以外にしびれ・痛みがある」、「夜間や早朝にしびれ・痛みが強くなる」、「手を振るとしびれ・痛みが緩和する」などです。
なぜ、小指はしびれないのでしょうか。それは神経が司る領域に関係しています。手根管の中を通っている「正中神経」は、手のひら側の親指から薬指の親指側までの感覚と親指の動きなどだけを司っているのです(手の構造の画像を参照)。そのため、小指には症状が現れません。
病気が進行すると「親指の付け根がやせる」という症状が現れます。
これは、筋肉に達する神経までが障害され、親指の付け根筋肉が萎縮してしまうため起こります。親指と人差し指などの他の指を、向かい合わせるような動作が難しくなります。また、細かいものがつまみにくくなります。
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