手根管症候群の検査

手根管症候群が疑われるときには、整形外科や手外科を受診します。
医療機関では、まず、「問診」や「ファーレンテスト」などを行います。その上で、手根管症候群が疑われる場合には、手首の「X線検査」や、神経を微弱な電流で刺激して、神経が信号を伝える速さなどを調べる「神経伝導検査」などで、神経の状態・機能を調べます。
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手根管症候群が疑われるときには、整形外科や手外科を受診します。
医療機関では、まず、「問診」や「ファーレンテスト」などを行います。その上で、手根管症候群が疑われる場合には、手首の「X線検査」や、神経を微弱な電流で刺激して、神経が信号を伝える速さなどを調べる「神経伝導検査」などで、神経の状態・機能を調べます。
手根管症候群の治療の基本は「安静」にすることと「薬」での治療です。軽症の場合、1回~数回のステロイド薬などの注射と手首の安静で症状が治まることが多いのですが、重症化した場合は「手術」が必要になります。
症状を改善するには、できるだけ手首への刺激を少なくすることが大切です。安静を保つために2~3か月間、「装具」を装着することもあります。装具はできるだけ長時間着けたほうが効果はありますが、昼間は着けられないという場合は、夜間、寝ている間に着用するだけでも効果があるとされています。
薬には、塗り薬、貼り薬、のみ薬の「痛み止め」、末しょう神経を保護・再生する「ビタミンB12」があります。通常の痛み止めでは効果がない場合には、神経障害から来る痛みを抑える「神経障害性疼痛(とうつう)治療薬」を使う事もあります。「ステロイド薬」と「局所麻酔薬」を手根管の中に直接、注射し、炎症を抑え、痛みをとります。
薬や装具などを使っても効果が十分ではなく、「痛みやしびれが強い」、「親指の付け根がやせてきた」、「指の感覚が失われてきた」などの症状がある場合には、手術が検討されます。
手根管症候群の手術では、手根管の屋根にあたる手のひら側の靭帯(じんたい)を切開することにより、正中神経の圧迫を取り除きます。
靭帯を切開したままでも、時間とともに再び別の組織で覆われてきますので心配ありません。手術後しばらくは握力が落ちますが、6か月程度で正常に戻ると言われています。手術は、局所麻酔下で、30分程度で終了しますので、日帰りも可能です。また、皮膚を小さく切開して、「内視鏡」を挿入して、靭帯を切り離す方法も行われています。