更年期障害の悩みに答えます

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更年期障害意欲の低下イライラする眠れない・眠りが浅い関節痛うつ状態が続く全身

【Q&A】更年期におすすめの食事と運動は?

更年期による血圧やコレステロール値の上昇、いびきなど体調の変化に戸惑っています。
生活面や食事面で心がけることを教えていただきたいです。(50代 女性)

専門家による回答

更年期になると下半身の筋肉量が落ちて、基礎代謝が低下するので、今までと同じような食事をしていると健康に悪影響を及ぼすおそれがあります。脂質や糖質を控え、「高たんぱく・低脂肪」を意識しましょう。
食事と同様に大切なのが、運動習慣をつけることです。特におすすめしているのは「ラジオ体操」です。ラジオ体操はたった3分間ですが、全身運動なので、本気で行うと高い運動効果が期待できます。患者さんのなかには、ラジオ体操を始めてからめまいやふらつきが改善したという人もいます。
運動する場所がないという人には「ながら運動」をおすすめしています。例えば、食事の準備中、キッチンの下にあるフライパンなどを取り出すときにしっかり腰を落とせばスクワットに、上の物を取るときに腕や背中をしっかり伸ばせばストレッチになります。ちょっと意識してオーバーな動きをするだけでも運動効果が得られるのです。駅などではエスカレーターを使わず、「階段を上り下り」するのもよいでしょう。

【Q&A】家族へ伝えるには?

家族、特に夫から、食事が作れないぐらいひどい時にも文句をいわれます。やらなきゃと自分を追いつめて余計空回り。買い物も行けないくらいしんどい。でも家族のためにご飯を作っても当たり前にしか思われていない。今後どうしていけばいいのでしょうか?(40代 女性)

専門家による回答

ご質問者は、かなり頑張り屋さんのようですね。でも、つらい症状がある場合は我慢せず、まずは受診して更年期障害の相談をしてみましょう。パートナーには「更年期症状でつらいから受診してくる」と伝えることが大切です。
次に、“しんどさ”を分担することを考えましょう。毎日の家事を紙に書き出して、分担できるものがないかパートナーと相談してみましょう。自分で書き出すのが難しい場合は、受診時に医師に相談して一緒に書き出してみるのもよいと思います。「どうせわかってくれない」と自分一人で抱え込んでしまうのではなく、まずは相手に伝えること。それが今の状況を改善する第一歩になります。

【Q&A】ホルモン補充療法のはじめ時・やめ時は?

更年期症状が辛く、ホルモン補充療法を始めました。何歳まで続けるのか、治療をやめるタイミングはどうやって決めるのでしょうか。(50代 女性)

専門家による回答

ホルモン補充療法の開始時期は「タイミング・セオリー」としてガイドラインで示されており、閉経後10年以内、60歳未満とされています。開始時期が遅いと血栓症などのリスクが上昇し、ベネフィット(利益)を上回るからです。やめどきについては特に限定はされていませんが、主体性をもち、医師とよく相談しながら治療方針を決めていくことが重要です。

【Q&A】相談先をどう見つける?

更年期かも、と思っても相談先がわからない。子宮筋腫があり閉経まで我慢していてよいのかもわからない。モヤモヤしています。(40代 女性)

専門家による回答

更年期症状がつらいときは、婦人科や更年期外来などで相談しましょう。更年期以降は子宮体がんや骨粗しょう症などのリスクが高くなってくるので、更年期医療など女性医学を専門とする医師「女性ヘルスケア専門医」をかかりつけ医としてもっておくことがおすすめです。女性ヘルスケア専門医のリストは、日本女性医学学会のホームページに掲載されています。通いやすい医療機関をみつけておくとよいでしょう。

日本女性医学学会のホームページはこちら
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詳しい内容は、きょうの健康テキスト 2023年6月 号に掲載されています。

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