Aさん（70歳・男性）は、今から2年ほど前、ある意外なことが原因となるぼうこう炎を経験しました。当時、Aさんは頻尿に悩んでいました。

「自分ではぼうこう炎だという自覚はありませんでした。でも、たびたびトイレに行きたくなったり、たまに尿に血が混じっていたりすることもありました。」

夜、寝ているときにも尿意に襲われ、熟睡できないこともしばしばありました。

「夜中の頻尿は、2～3時間おきに目が覚めて辛かったですね。今思うと、昼間の仕事にも影響がありました。眠くなってしばらく休むこともありました。」

この頻尿の原因は、偶然のことから、わかりました。
実はAさんは糖尿病が持病でした。ある日、血糖値の急激な上昇により、意識を失い倒れてしまったのです。
その時、運び込まれた病院で、全身のCT検査を受けたところ、ぼうこうに意外なものが見つかりました。それは石でした。直径3センチの大きな結石があったのです。

「医師に『こんなに大きい石がありましたよ』と言われましたが、自分では信じられなくて...。実際に画像を見たらビックリしました。丸い感じだけど、とげとげしくて、まるでギャングみたいな石でした。」

この石は、腎臓で尿の成分が結晶化しできた結石で、尿管を通ってぼうこうまで運ばれてきました。そしてぼうこうの中で大きくなり、それがこすれるために炎症が起こって、頻尿や血尿の原因になっていたのです。

そこでAさんが受けた治療が「TUL（経尿道的結石破砕術）」です。

全身麻酔をしたのち、尿道から内視鏡をぼうこうに挿入し、先端から出るレーザーで結石を砕いていく方法です。細かく砕いた石は最後に吸い出し、完全に取り除きます。この治療で、Aさんの症状は嘘のようになくなりました。

「頻尿も血尿も全然ないし、おかげさまで楽になりました。前からみたら考えられないくらい。ただただ感謝です。」