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ワクチン接種に便乗した詐欺に注意
佐藤裕太(記者)
2022年10月06日 (木)
詐欺にだまされないための対策を考える「ストップ!詐欺」。
今回のテーマは「ワクチン接種に便乗した詐欺に注意」です。
こちらの詐欺の被害や相談は、まだ県内では確認されていませんが、全国では1回目の接種が始まった直後から、警察や消費生活センターへの通報や相談が相次いで寄せられました。
国民生活センターのホットラインに寄せられた相談のうち、ワクチン接種に便乗した詐欺が疑われる事例は、去年2月から12月までの間に141件にのぼりました。
手口を分類して、いくつか紹介します。
ワクチン接種に便乗した詐欺の手口
まず、予約に絡む詐欺です。
「優先的に接種を受けられる」、「早く、すぐに接種を受けられる」、「予約を代行する」などと言ってお金を要求したり、口座番号や暗証番号を聞き出そうとしたりするケースが全国で相次ぎました。
自治体の職員などを装って、電話はもちろん自宅を直接訪問するケースも全国で確認されています。
以前お伝えした「フィッシング詐欺」(偽のサイトに誘導してクレジットカードの番号やパスワードなどをだまし取る手口)と同じく、今回もメールから偽の予約サイトに誘導しようとする例が確認されています。
こちら、実際に確認されたメールの文面の例です。
「予約サイトへ」と書かれたリンクを開くと、実在する厚生労働省のワクチンのサイトとそっくりの偽サイトに誘導されます。
「予約」のリンクを開くと、このように本来必要のない、クレジットカードの情報を入力する画面に誘導され、そのあと、厚生労働省の本物のサイトに誘導されるので、被害に気づきにくくなっているのです。
県消費生活センターによりますと、3回目の接種以降は、むしろワクチンが余ってしまう状況になっているので、こうした手口は全国的に下火になっているということです。
しかし、いま、3・4回目の接種とオミクロン株対応のワクチン接種が重なり、予約が少し複雑になっているので、消費生活センターではこうした詐欺に改めて注意を呼びかけています。
そして、接種したあとにも注意が必要です。
接種を終えた人を対象に「補助金」や「支援金」の名目でお金を支払うとして、口座番号や暗証番号を聞き出そうとする手口が確認されています。
さらに、ほかの県では接種を受けて副反応が出た場合に見舞金を支払う制度もありますが、それに関係した詐欺にも注意が必要になると思います。
詐欺に注意するためのポイントは?
まず、新型コロナのワクチン接種では予約から接種までに費用がかかることは一切ありません。
そして、自治体がワクチンの予約のために電話やメールで、個人情報などを聞き出すことはありません。
また、接種した人を対象とする「補助金」などは、県内ではありません。
ワクチン接種に絡む不審な電話やメールがあった場合は、消費生活センターのホットライン「188」に相談し、不審な人物が自宅を訪問してきた時は、すぐに警察に通報してください。