シリーズ地域医療を考える①
- 2023年11月09日
県内の医療機関では医師不足や施設の老朽化などさまざまな課題を抱えています。
医療現場の現状や新たな取り組みをシリーズでお伝えします。
シリーズ地域医療を考える①
ー新たな分野「総合診療」ー
【医師少数県 山形】
「医師偏在指標」というデータをもとに示されている「医師少数県」。
全国で16県ありますが、山形県の「医師偏在指標」は189.4と、全国40位となっていて、
また、宮城県以外の東北の5県が40位以下と医師不足が顕著に表れています。
さらに今、医療の現場では、大きな変革が求められています。
それが、労働規制の強化に伴って暮らしへの影響が懸念されている「2024年問題」。
物流・建設業界などに加えて、医療の分野でも起きています。
来年4月からは病院で診療などにあたる勤務医には、
休日・時間外労働の上限を原則年間960時間以内、月間100時間までとする規制が適用されます。
【地域医療の課題解決の糸口になるかー注目集める総合診療ー】
こうした中、県内の医療機関では今の現状をどのように乗り越えるのか、
県立河北病院では、去年から「総合診療」という新たな分野を導入し注目を集めています。
【総合診療医の業務負担は?】
総合診療医がいることで、専門医は専門の治療に集中できますが、一方で懸念されるのが、総合診療医へ業務負担が集中してしまうということ。
河北病院の総合診療医は現在、2人いて業務分担しています。深瀬医師は「自分たちがプライベートの時間を確保して、心に余裕を持つことが患者の幸せにもつながる」と話していて、勤務日はほとんど定時に帰宅しているということです。
これまでに県内の医療機関では総合診療医に業務の負担が集中してしまったケースもあり、
総合診療医とほかの診療科との治療や業務の分担など
運用のあり方を検討していくことが大切になってくると思います。