くろばね紫陽花まつり(大田原市)
- 2023年07月11日
栃木県内をまわり、その地域の魅力をお伝えする「あっちこっちとちぎ」は、ことし、県内25の市と町をすべて訪れます。8回目は大田原市です。
梅雨の季節にあわせて「あじさいまつり」に行ってきました。
(宇都宮放送局アナウンサー 武田涼介)
黒羽城址公園、本丸跡の物見やぐらが見えています。 かつて、ここには黒羽城というお城がありました。
山城の特徴の水のない空堀や敵の侵入を防ぐための塀などのあとが残っています 。
この公園で開催されていたのが「くろばね紫陽花まつり」 です。40種類、6千本のあじさいが目を楽しませてくれます。
こちらは「ガクアジサイ」。 微妙な色合いがいいですよね。
細い道を行った先には、橋がかかっていて、そこからの眺めがこちらです。
この谷のようになっているのが、「空堀(からぼり)」の跡。 深い谷になっています。 その斜面にあじさいが咲いて、城跡ならではの景色が広がって います。
ここでは、あじさいと歴史を同時に楽しむことができます。 今年は、新型コロナによる制限もなくなり、以前のおまつりの賑わいが戻ってきました。
黒羽城址公園のおとなりの庭園にやってきました。 ここでも、この時期はあじさいを楽しむことができますが、 実はこの一帯は、江戸時代の俳人、松尾芭蕉にちなんだ「芭蕉の里」でもあります。 芭蕉に関する様々な資料を展示している「芭蕉の館」の前には、銅像があります。
馬に乗っているのが芭蕉、芭蕉に寄り添っているのが、門人の曽良(そら)です。 芭蕉の代表的な作品「奥のほそみち」。その旅の途中、ここ黒羽を訪れ、14日間滞在しました。
庭園には石碑があり、黒羽に入る旅程と、門人の曽良が詠んだ句が彫り込まれています。 この芭蕉の里の一帯には、芭蕉や曽良が詠んだ俳句が彫られた「句碑」が10ほどあり、この静けさにつつまれながら、あじさいとともに芭蕉の世界を楽しむことができます。
芭蕉の館の学芸員、新井敦史さんに 、芭蕉はなぜ黒羽に2週間も滞在したのかを聞きました。
新井敦史さん
知り合いの門人を訪ね、様々な名所に案内され、数多くの句を詠んだ芭蕉は、居心地が良かったので、気が付いたら時間が経っていたのではないでしょうか。この時期は、芭蕉の館で、あじさいを詠んだ芭蕉の句の展示を行っているので、ぜひ訪れてみてください