〝無理をしない〟で楽しい登山に！

山岳遭難、急増中！

栃木県内で発生した山岳遭難は、去年1年間で86件。
過去30年で最も多くなりました。
新型コロナの影響で、屋外で楽しめる登山の人気が高まったことなどが背景とみられています。

身近な低い山でも起きる事故は、どうすれば防げるのでしょうか。

教えてくれたのは、登山ガイドの芝田信久さん。
初心者が特に気をつけるべきことについて、レクチャーしていただきました。

今回登るのは、宇都宮市にある標高580メートル余りの古賀志山です。

紙の地図は必需品

出発前に、まず指摘されたのは 地図を持って行く こと。

山岳遭難の理由で、最も多いのが「道迷い」。
これを防ぐために欠かせないということです。

スマートフォンの地図アプリもありますが、電波が届かなかったり、電池がなくなったりして使えない場合もあるため、必ず紙の地図を持って行く必要があります。

地図を携えて、出発。
展望台を目指します。

分岐にさしかかったら

しばらく登ると、平らな広場で分岐にさしかかりました。

「道迷い」を防ぐために欠かせないのが 分岐で現在地を確認 すること。

地図や道標を使って、自分がどこにいるのかと、進むべき方向を確認します。

ところで、こちらの分岐には予定しているルートの脇にも、一見歩いて行けそうな道がありました。

しかし、このような地図に載っていない道に入ると道に迷いやすくなるということです。

たしかに、前を歩く人につられて思わずついていってしまいそうな気が…。
自分で地図を確認して、計画したルートを確実に登っていきます。

登りの終盤には、かなり急な傾斜が。

翌日の筋肉痛を確信しながら…慎重に登ります。

そして、見晴らしのいい展望台に到着しました。

初心者コースとはいえ、やはり達成感があります。そして景色と風が気持ちよい！

ここで芝田さん、けがなく帰るためにはここからの〝下り〟に注意が必要だと言います。

登りきったことで、山に慣れた気になってしまっていました…。
油断は禁物です。

歩幅は小さく、スピードはゆっくりと。
慎重に下ります。

芝田さんは、登山では〝無理をしない〟ことが何よりも大切だといいます。

事前の準備、どうする？

登山では、事前のコース選びも大切です。

山の難しさを表す「山のグレーディング表」などを参考に、自分の体力にあった山を選びます。
グレーディング表は、栃木県のホームページにも掲載されています。

家族連れや友人どうしなど複数人で出かける場合は、体力が一番弱い人に合わせて選びましょう。

また、装備を整えて行くことも大切。
初心者でも最低限そろえるべき装備を、芝田さんに厳選してもらいました。

飲料は、体重によっても変わりますが、3時間歩く時には1リットルをめやすに持って行くのがよいそうです。
味に飽きないよう500ミリリットル容器で種類を変えるのがおすすめ、とのことでした。

このほか、天気予報のチェックや体調管理にもお気をつけください。
安全に気をつけて、楽しい1日になりますように。