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Jリーグ ガイナーレ鳥取 増本浩平監督に聞くチーム浮上の鍵

“攻撃的サッカー”からの転換 期待するキーマンは?
  • 2023年09月27日

サッカーJ3 ガイナーレ鳥取の増本浩平監督(41)。
ガイナーレで現役時代を過ごした後、当時J1だった松本山雅でコーチを務めるなど指導者としての経験を積んできました。
ことし6月にはヘッドコーチから監督に昇格。
就任直後の7試合は負けなしで、一時は6位まで浮上しました。
シーズン途中からチームを託されることになった増本監督は、どう立て直しを図ってきたのか、お話を聞きました。
(※成績や数字は第28節終了時点のものです)

“攻撃的サッカー”からの脱却

成績不振を理由に解任されたキム・ジョンソン前監督からチームを引き継いだ増本浩平監督。
最初に取り組んだのが、キム監督が築いた「攻撃的サッカー」の見直しでした。

増本監督

ジョンソンさんのときは、2点とられたら3点とるという意向が強かった。
ただ、僕が同じように攻撃的サッカーをやっていったときに「失点数を超えるだけの得点をしていけるか」というのは難しいと思った。

チームの昨シーズンの失点数はリーグワースト2位
今シーズンも一時は失点数がリーグワーストとなり、チーム低迷の要因になっていました。

そこで、増本監督は「失点数を減らす方針」に転換します。
首脳陣が相手チームを入念に分析。
練習では守備面での対策に時間をかけるようにしました。

増本監督

これまでの試合、どんな時間帯でどんな形で失点したかを分析した。
分析で得られた情報をもとにトレーニングで落とし込んでいく。
ある程度相手に合わせた対策も必要だと取り組んでいるのは、大きく変わったところかもしれない。

これまでの攻撃重視なスタイルを捨てることを選んだ増本監督。
この決断に迷いはなかったと話します。

増本監督

ためらいは全くなかった。
(キム監督とは)違う人間だし、同じようにはできないので、僕は僕のやり方の中でトライしていかないと、たぶんいい形もできないし、伝わる言葉もしゃべれない。

監督就任前の失点数は1試合平均で1.64
就任後の失点数は1試合平均で1.14(第28節終了時点)となり、改善しました。
それでも守備の立て直しは道半ばだといいます。

そんな中、監督がさらなる奮起を期待する選手は?

チーム浮上の鍵 ムン・インジュ選手

1人目がプロ2年目の左サイドバック、ムン・インジュ選手。
ハードワークを惜しまず、チームに欠かせない存在となっています。

増本監督

元々サイドバックの選手ではないが、サイドバックをやり始めて、トライアンドエラーをしながらすごく成長してきているなと感じる。
左利きで、守備のときにハードに奪いにいける部分や、戦う気持ちをすごく表現できる選手。
もともと中盤の選手なので、強いシュートも打てるところは期待をしている。
インジュが守備面を含めてどこまで成長できるかが、チーム浮上の鍵になってくると思う。

鳥取の“モドリッチ” 普光院誠選手

2人目が今シーズンから加入の普光院誠選手。
守備的ミッドフィルダーですが、トップ下で先発することも増え、攻守のバランスをとりながら試合を組み立てる役割を担っています。

増本監督

誠は賢いんで、すごくよくゲームを見ているし考えている。
もともと守備はかなり利く選手なので、1列高い位置で守備を利かせてもらって助かっている。
運動量がかなり多い選手だと思うので、“モドリッチ”(クロアチア代表選手/スペイン レアル・マドリードの10番)みたいになっていってくれたら、面白いなと思う。

普光院選手

自分も好きな選手の1人で、試合前にモドリッチのプレーを見る。 
さばくだけのボランチじゃなくて、前に運べて起点になれるボランチが僕は好きなので、そういう選手になっていきたいと思う。

ゴール前で輝く 富樫佑太選手

そして、攻撃面のキーマンは27歳のフォワード、富樫佑太選手です。
ここまでチームトップに並ぶ7得点をあげています。

増本監督

佑太は使い続けて良くなってきたところもある。
ゴール前やペナルティエリア内ではかなり生きる選手だと思っているので、勝負させる時間を多くしてあげられたら、我々としては得点機会が増えると思っている。

富樫選手

監督に期待して使ってもらうのは選手としてうれしいことだし、結果で応えるのはプロとして重要なことだと思う。
得点で結果を出して、チームを勝たせないといけないと思っている。

勝利を目指し 躍動感あるサッカーを

残り10試合で、J2に昇格できる2位との勝ち点差は「5」。シーズン終盤、巻き返しを図る増本監督に意気込みを聞きました。

増本監督

残り試合も少なくなってきた中で、とにかく勝ち点3を取りにいきたい。
戦う姿勢や躍動感がしっかり表現できるようなゲームができればいいなと思っている。
選手にも言っているが、10月の試合を上位から振り落とされないようにいくことで、(11月以降の)残り5試合で昇格が見えてくるのではないかと思う。

9月9日 第26節 試合後サポーターに想いを届ける場面

コーチとして選手と関わる時間が長かったことから、選手と距離感が近い増本監督。意見を聞きながら一緒にチームを作り上げているそうです。
試合では感情を前面に出しながら、選手を鼓舞している姿も印象的です。
残り試合が少ない中で昇格に向けて勢いづくガイナーレ鳥取に今後も注目です。
(スポーツキャスター 藤松舞)

  • 藤松舞

    鳥取放送局 キャスター

    藤松舞

    長野県出身
    スポーツコーナー担当
    県内のスポーツの話題を幅広く取材中です!

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