パリオリンピック目指す田中鈴華選手 鳥取・米子を選んだワケ
- 2023年09月13日
ボクシング女子ライト級の田中鈴華選手(23歳)です。
これまで小中年代の全国大会で5連覇を達成、全日本選手権で優勝するなどの実績を残し、来年開催されるパリオリンピックへの出場を目指しています。
そんな田中選手は愛知県出身、でもこの春に単身移住を決意した先は鳥取県米子市でした。
一体なぜ?
強みは“左ストレート”
身長163cm、ライト級の田中鈴華選手は愛知県出身。
強みは瞬発力と対応能力の高さ、そして左ストレートです。
小学4年生でボクシングを始め、小学5年から中学3年まで全国大会で5連覇を達成、おととしの全日本選手権では優勝を果たすなど、着実に実績を残してきました。
おととしの東京オリンピックへの出場を目指していた田中選手ですが、その願いはかなわず。
「パリ大会に今度こそ出場を」と、この春に兵庫県の大学を卒業し、単身で米子市に移住してきました。
移住のワケは 金メダリストの育て親
住み慣れた土地を離れてまで、田中選手が米子市に移り住んだ理由は、尊敬する“ある人”から直接指導を受けるためでした。
その人とは、伊田武志さん。
東京オリンピックのボクシング 女子フェザー級 金メダリストの入江聖奈さんを育てた名指導者です。
田中鈴華 選手
(入江聖奈さんの)試合を見ていても、とてもレベルが高く戦い方も圧倒して勝つことが多くてすごいなと。
そんな選手を育てた伊田会長に教わりたいと思いました。
田中選手はいま、伊田さんが会長を務める米子市のジムに所属し、パリ大会出場を目指しトレーニングに励んでいます。
シュガーナックルジム 伊田武志 会長
田中選手の足を使ってジャブを突き、柔らかく相手のパンチを流して、カウンターを打ち込むボクシングスタイルは私のボクシングスタイルにも似ている。
実績もありますし、世界で通用します。日本より世界での方が、生き生きとして戦えると思います。
五輪出場への課題は?
田中選手がパリへの切符をつかむには、少なくとも11月の全日本選手権で再び優勝して日本代表に選ばれる必要があります。
そのうえで、来年の「世界最終予選」を勝ち抜かなければなりません。そのために今取り組んでいるのが、フットワークを生かした攻撃の強化です。
田中鈴華 選手
課題は足を止めたまま戦ってしまうのが多いこと。
(距離を取って戦う)アウトボクシングをしたり、常に足を動かしたりすることを意識しています。
“Wリンカ”で高め合う
田中選手が米子市にやってきたもう1つの理由、それは同じジムに所属するフライ級のアジア王者、木下鈴花選手の存在です。
田中選手と木下選手は、同い年、同じ名前(りんか)。
階級は違いますが、ともにパリオリンピック出場を目指しています。
この日は1か月ぶりに木下選手とスパーリングを行いました。
田中選手は、強化している足の動きを意識してパンチを繰り出していきます。
田中鈴華 選手
木下選手は中学校の時から知っていますが、そのときからすごく強くて、今もさらに強くなっているので、お互い高めあえています。
世界トップレベルのスピードを誇る木下選手と拳を合わせながら、身のこなしやテクニックを磨いています。
目指すは金メダル!米子からパリへ
田中鈴華 選手
目標は、オリンピックで金メダルを取ることです。
“Wリンカ”で金メダルを取れたらすごくいいと思っています。
(パリ大会は)もう来年で、試合一戦一戦がすごく勝負なので、確実に一個一個勝ち進んで出場できたらと思っています。
パリオリンピックまで残り1年を切る中、米子のジムから新たなヒロインが誕生するのか注目です。