元ガイナーレ鳥取 福留健吾選手 ゴールキーパー専門教室を開設
- 2023年06月09日
「いろ★ドリ」スポーツキャスターの藤松舞です!
鳥取のサッカーを盛り上げようと活動している人がいます。
昨シーズンまでJ3・ガイナーレ鳥取でプレーした、大山町出身のゴールキーパー、福留健吾選手。
ことし4月から鳥取で「ゴールキーパー専門のスクール」を運営しています。
開設にいたった思いとは?取材しました!
誕生!鳥取にGK専門のスクール⚽
日吉津村の河川敷に、ゴールキーパーの練習をする子どもたちの姿が!
ゴールキーパーの練習だけに特化した、とても珍しいスクールなんです。
このスクールを4月に開設した福留健吾選手、36歳。
去年までの3年間はガイナーレ鳥取でプレーし、今は地域リーグのYonago Genki SCで現役を続けています。
取材した日は、県内や島根県から、小学4年生から高校1年生までの6人が参加しました。
全員がそれぞれの所属チームで"ゴールキーパー"を担当しています。
まず何よりも“ゴールキーパー楽しいな”とか“ゴールキーパーかっこいいな”という気持ちを持ってもらうこと。
成長する過程を喜びに感じてもらえるような場所にしたい。
GKひと筋の福留選手
福留さん自身がポジションの中で、ゴールキーパーを選んだ理由は?
ゴールキーパーだけ、手が使える・グローブをつけている・ユニフォームが違う。
そういったところが子どもながらにかっこいいなと。
この日、スクールのとなりでは、福留選手が小学生の時に所属していた鳥取セリオFCが練習中。
当時、福留選手を指導した橋田和久コーチ。
スクールを開設した教え子の様子を見に訪れました。
(福留選手は)本当に真面目。ゴールキーパーをとにかくうまくなりたいという気持ちが、ぶれずにずっとあった。自分のやりたいことをとにかく貫く。
プロサッカー選手を目指していた福留選手。
しかし、高校・大学を卒業しても、プロチームからのオファーはありませんでした。
そのため、大学卒業後は、ゴールキーパーの育成で世界トップレベルと言われるドイツに渡り、技術を磨きました。
そして、5年目。ドイツ下部リーグのクラブと、念願のプロ契約を勝ちとります。
どうしてGKの"指導"を?
帰国後、Jリーグのクラブからオファーを待つ間、母校の境高校で高校生と一緒に練習した時期もありました。
このとき、高校生に指導したことが指導者を志すきかっけになったといいます。
高校生ができるプレーが、本当に目に見えてどんどん増えていった。
そのときに指導することのやりがいをすごく感じた。
あの時期があったから、今もこうしてプレーを続けたり、指導もできているのかな。
高校生に教えた経験が、ゴールキーパーのスクールを作るきっかけになったんですね
そもそも日本においてゴールキーパーの指導ができる人の数が少ない。
特にこの鳥取県だとそれが顕著に出て、ゴールキーパーとして上達したいという子どもたちがたくさんいる中で、どうにか彼ら、彼女らの気持ちを実現する場所を作ることはできないかなと。
海外でも通用する技術を!
スクールではドイツ時代に学んだ育成方法をいかします。
ゴールキーパー育成において、日本と海外との違いは?
一番の違いはゴールキーパー1人の力でいかにゴールを守れるかということ。海外だと、そこで評価される。
そこで、練習はシュートをセーブするためのメニューに特化。 足の角度や位置、手の出し方などを細かく丁寧に指導します。
うまくいかないことも人生の一部!
教え方を見ていると、福留選手自身のサッカー人生に紆余曲折があったからこそ、頑張っている人の気持ちがわかったり、寄り添ったりできているのではと感じました。
いくらミスしても、いくら失点しても、それは自分のためになる経験なんだとポジティブに考えることができたら、すべての経験が自分にとってプラスになる。
うまくいかないことや自分の思い通りにいかないことも人生の一部と考えられたら、どんなことも前向きに、自分の人生に胸を張って生きていけると思う。
そういう考え方を子どもたちに伝えていきたい。
指導を受けている子どもたちは
隣の島根県から練習に来ている子は・・・
チームでシュート練習をするときは、隅に来た低いボールがとれなかったという子も・・・
細かい動きの指導は試合でも役立っているようです。
福留健吾選手の夢
ゴールキーパーの指導を通して実現したいことは?
少しでも、今後、鳥取県・日本のゴールキーパーのレベルが上がること、日本人のゴールキーパーが世界のトップレベルで戦えるところに自分自身も携わっていければいい。
自分が経験してきたこと、自分が考えてきたことを伝えていって、ゴールキーパーのレベルを上げていきたい。
鳥取県から全国のレベル、プロのレベル、世界のレベルで活躍できるようなゴールキーパーが出てきて欲しい。
自分自身がその育成に関わっていきたい。
~取材後記~
現役を続けながらも指導者として励む福留選手。
「体が動く限りはゴールキーパーとして自分の高みを目指してチャレンジしていきたい」と選手としての活躍を誓う一方、指導者としても「世界で戦える指導者になりたい」と話していました。
これまでに、本田圭佑さんとトレーニングをしたり、アスルクラロ沼津時代には中山雅史さんともチームメイトとしてプレーしたりと、多くの選手とも関わる中で経験を培ってきた福留選手。
福留選手の経験や考え方が子どもたちに刺激を与え、鳥取から世界で活躍するゴールキーパーが出る日が今から楽しみです!
(藤松 舞)