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NHK防災教室 アナウンサーが教える「命を守る呼びかけ」とは?

アナウンサーのノウハウを伝えます!相手の心に届く呼びかけとは?
  • 2023年12月05日

大雨や地震などの災害発生時、NHKアナウンサーが取り組んでいるのが、「命を守る呼びかけ」です。安全な場所への避難など、具体的な行動につなげてもらうためのものです。
こうしたノウハウを伝える、「アナウンサーの防災教室」が石井町の中学校で開かれました。徳島放送局の高橋篤史アナウンサーが、中学生のみなさんと一緒に、命を守る行動につなげるための呼びかけについて考えました。

ふるさとを愛する心が防災につながる

訪ねたのは徳島県石井町の高浦(たかうら)中学校。授業には2年生56人が参加しました。
講師は、徳島県三好市池田町出身の高橋篤史アナウンサー。

徳島へのふるさと愛あふれる高橋篤史アナウンサー

まずはじめに高橋アナウンサーが話したのは、ふるさとを愛する心が大事だということ。
ふるさとを愛する心が大きいほど、町を守る「防災」につながるといいます。

友達を大事にするとか、楽しい思い出があったらまた石井町に帰ってこようとか、災害に対して地域の人を守ろうっていう気持ちも高まりますし、そういった場合にみなさんが力になるはずです。
愛する心があれば力が増します。

例えば、近い将来起きるとされている南海トラフ巨大地震。
徳島県内でも大きな揺れと、津波による甚大な被害が想定されています。
その時、大切な人への「呼びかけ」で命を守る行動につなげることができるかもしれません。

「命を守る呼びかけ」とは?

「命を守る呼びかけ」とは具体的にどのようなものなのでしょうか。
原稿を示しながら紹介します。

パソコンの黒字が、事実です。
記者が書いた、”地震が起きました”という原稿。
その横に、自分の言葉で赤い文字で手書きで文言を入れています。
NHKアナウンサーはこれを命を守る呼びかけと呼んでいます。
情報を読むだけではなく、それを自分事としてとらえてもらえるように表現を工夫します。

NHKアナウンサーは日頃から訓練しています

「命を守る呼びかけ」に中学生が挑戦

防災教室では、生徒たちに「命を守る呼びかけ」に挑戦してもらいました。

「県内で震度7の地震が起き、津波が来る」という想定です。
▼どんな場面で ▼誰に ▼どんな言葉を 呼びかけるのか。
グループで考え、シートに記入してもらいました。

ビルの中で働く家族を思い浮かべながら

ビルの中のどんなところにおりそう?
ガラス窓とか近くにあるかもしれん?

男子生徒

はい。ビルの中でパソコン打って仕事しています。

じゃあガラスにも気を付けてねっていう呼びかけも必要だね。

呼びかけのポイントは2つ

具体的に指示をする
相手の状況に合わせて、行動の指示をだします。
被害をイメージして、そうした中でケガをしないよう指示をしてあげてください。

安心を伝える、こころを寄せる
災害の時は不安で怖いもの。あわてると、できるはずのこともできなくなります。
相手が落ち着くよう、ほっとする言葉で呼びかけます。

おじいちゃんおばあちゃんだったら、わしゃええわってあきらめる人もいるかもしれない。そういう人に向けて絶対あきらめたらいかんと、1センチでも高い所に行ってねとか。そういうこころを寄せるひと言もあってもいいかも。

呼びかけをシミュレーションしてみよう!

最後に、考えた呼びかけを発表してもらいました。
「大地震発生直後、徳島市にいる大切な人に電話がつながった」という想定で、高橋アナウンサーが相手役となり、電話のシミュレーションをします。

徳島市内にいる親友を思い浮かべながら呼びかけをした男子生徒は・・・。

男子生徒

頭を守って、何かの下に隠れてください。
人に助けを呼んでください。

親友役

助けて!助けて!
…あ、助けてくれる人おったよ!

頭を守って何かの下に隠れる」ことや「人に助けを呼ぶ」など、具体的な行動の指示を出すことができていました。

また、職場で働いているお母さんに呼びかけをした女子生徒は・・・。

女子生徒

大丈夫?冷静におるのが大事やけん。

母親役

声聞いたら落ち着いたわ。

女子生徒

気を付けて逃げてね。安心してね。

「冷静にいることが大事」「安心してね」など、相手が落ち着くことができる言葉をかけ、避難を促していました。

生徒のみなさん、それぞれ自分の言葉で相手に伝わる具体的な呼びかけができていました。

自分と大切な人の命を守るために

復興の力の中心になるのは、本当にみなさんです。
ぜひ、この機会にご家族と防災のことを話し合ってもらえればと思います。

防災教室を終えて、生徒たちの感想は・・。

女子生徒
「今まであまり災害のこととか深く考えたことがなかったんですけど、この授業を通して深く知ることができたので、家に帰ってお母さんとかお父さんにこうしたらいいと、落ち着いて言えるようにしたいです。」

男子生徒
「とてもためになったし、これからの生活にも活かせるのでよかったです。」

女子生徒
「私は地震についてあまり知らなくて、祖父母が住んでいる場所も危ないってことを知らなかったんですけど、きょう聞いて危ないと知ったので、次、祖父母の家に行ったら、一緒にハザードマップを見たり、対策をしたいなと思いました。」

みなさん真剣に取り組んでくれて、とても有意義な時間になりました。この授業が、少しでも防災に興味をもってもらうきっかけになればと思います。
高浦中学校の皆さん、ありがとうございました!

それぞれが大切な人を思い浮かべながら、災害時の具体的なイメージをすることができました。
皆さんも、大切な人に命を守る行動をとってもらうための呼びかけについて、考えてみてくださいね。

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