徳島 高橋篤史アナも挑戦!アート×防災イベント その中身は?
- 2023年10月16日
芸術の秋!アートと防災が一つになったイベントが徳島県立近代美術館で行われました。いったいどんなイベントなのか高橋篤史アナウンサーが取材しました。
アート×防災とは!?
男性が集めているのは、苔(こけ)。
こちらの女性が集めているのは雑草。
参加者は徳島大学や美術館のスタッフとともに防災についての解説を聞きながら町を歩き、、、
拾い集めた草木などを使ってアート作品を作る。
これがアートと防災を掛け合わせたイベントです。
きっかけはディーン・ボーエン展
きっかけは、今、徳島県立近代美術館で行われている「ディーン・ボーエン展」です。
オーストラリアを代表する作家、ディーン・ボーエン。
版画や彫刻、絵画など多彩な手法で、オーストラリアの自然や動物、そこに生きる人を素朴に、ユーモラスに表現しています。
イベントを発案した学芸員の飯田恵実(めぐみ)さんです。
特にきっかけになったボーエンの絵があります。
代表作の一つ「町の眺め」です。
空を飛ぶ鳥からの視点で都市を観察し、明るい色彩で描いています。
ボーエンのように町を様々な角度から見ることが、防災につながるのではと考えました。
徳島県立近代美術館 飯田恵実 学芸員
徳島だと南海トラフ地震のリスクがあるので、(ボーエンの視点が)防災というポイントで何か共通することがないかと思い、今回、徳島大学に相談し、このイベントを作りました。
地域を歩いて危険を知る
イベントの最初は「防災」の講義から。
専門家が、ハザードマップを見ながら美術館周辺の防災のポイントを参加者に話しました。
徳島大学 環境防災研究センター 上月康則 教授
災害について、直接的に危ないこととか知識を伝えることとかをやっていたが、なかなか、それ以上広がらなかった。
今まで関心が薄かったような人たちにも持ってもらえる機会かなと。
講義の後、参加者みんなで町に繰り出しました。
巡ったのは美術館がある徳島市八万町。およそ1キロの道のりです。
美術館を出てすぐ見えてくるのが、、、
町を流れる一級河川の園瀬川です。
過去、たびたび台風や大雨で氾濫しました。
今は川沿いに堤防が整備されています。
橋の上で上月教授が解説しました。
上月教授
町の高さと河原の高さを比較すると、堤防で生活が守られているのが感じられる。
さらに道幅の狭い住宅地へと進みます。
上月教授
地震・津波の時に避難するんでしょうけど、道が狭いのでブロック塀などが倒壊しないか注意しながら避難するのが大事。
参加者は上月教授の解説をヒントに、アート作品の材料を集めました。
防災への思いを作品に込める
美術館に戻って作品を作ります。
集めた材料で、防災について学んだことを表現します。
作品に込めた思いを聞きました。
地元から参加の男性
防災について、今、不安なところがある。
暗いところに、いや、明かりもあるよ、光もあるよということで、
真ん中に赤い葉をつけた。
こちらの女性は…
鳴門から参加の女性
水が出たらすごく高い所まで来て、家の高さなんて越してしまうと思って、それをイメージで絵にしようと思った。
川の下に沈んでいると思ったところから、問題意識をみなさんに持っていただけたらなと思って。
アートを通して防災を考えることで、防災をより自分事として考えられると上月教授は言います。
徳島大学 環境防災研究センター 上月康則 教授
私が言ったことをそのまま書くというのは普通の講義なんですけど、それでは自分事になっているかどうかわからない。
だけど、アートの場合はそれを1回自分の中に入れて、自分なり、自分のオリジナルで表現するっていうことなので、かなり自分事になるプロセスとしては面白いなと思います。
この後、暮らし方を工夫するとか変えますよとなっていくといいかなと思います。
上月教授はアートだけでなく、防災で学んだことをゲームにしてみたり、スポーツ競技に取り入れたりすることでも自分事として感じるきっかけになるのではないかと話していました。
ちなみに、筆者の高橋も防災アートを作ってみました。
タイトルは「高橋マインド」。
メガネをかけた私の顔の鼻から上、そして、防災についてもやもや考えている頭の中を表現しています。芸術は自由です。