徳島・つるぎ町 出身力士がいない町で開発!佐渡ヶ嶽部屋ちゃんこでいけます?
- 2023年11月07日
あなたのまちの頑張る人に会いに行く「藤原陸遊のいま、いけます?」。今回は相撲とは縁が遠いつるぎ町でなぜちゃんこ鍋が?まちを盛り上げようと頑張る人に会いに行きました!
動画はこちらから!
幕末から幕内力士がいないまちで「ちゃんこ鍋」!?
ごま油の香りに濃厚なだしを吸った鶏肉!
佐渡ヶ嶽部屋直伝の塩ちゃんこ鍋です。
なぜか出身力士がいないつるぎ町で開発されました。そのわけとは!?
76年ぶり!せっかくの縁を結びたい!
ことし6月。佐渡ヶ嶽部屋がつるぎ町に合宿にやってきました。
まちに相撲部屋がやってくるのは、76年ぶり!
佐渡ヶ嶽部屋の力士が稽古に打ち込みました。
カ土をひと目見ようと期間中まちの人が3000人も集まりました。
そんな稽古と同じくらい大盛況だったのが…
佐渡ヶ嶽部屋特製ちゃんこのふるまい!
手作りちゃんこは大人気!
これぞ「ちゃんこ」の味という感じですか!
具材もごついね~!
おかわりしたいわ~!
親方の優しさ 特別なスープをつるぎ町に
そんな大人気のちゃんこに熱い視線を送っていたのが?
つるぎ町の職員・武田康弘(たけだ・やすひろ)さんです。
・・・武田さん、なにか企んでます?
うふふ・・・。
お相撲と言えば、ちゃんこ。
このちゃんこを地域の特産品にできへんかなという話があって。阿波尾鶏とか地場の具材をふんだんに使って、佐渡ヶ嶽部屋特製ちゃんこというので地域活性化を図っていこうと思ってるんです!
数年前に徳島県で地方巡業があったことをきっかけに実現したという今回の合宿。この緑を何かの形にしたいと、武田さんがちゃんこの味の伝授を佐渡ヶ城親方に直談判!すると・・・?
すると、2つ返事でOK!その心は?
みなさんに喜んで食べて頂ければ、これが佐渡ヶ嶽部屋のちゃんこなんだ、いいね、おいしいねと言って頂ければ、それでもう満足です。
ちゃんこを冷凍!?愛とアイデアで究めた味!
道の駅などでの販売を目指して、研究が始まりました。
ちなみに好きな力士は?
じゃあうれしいじゃないですか!
この話を聞いたときはどう思いました?
まあ鳥肌立ちましたね。
プレッシャーもあったんじゃないですか?
プレッシャーというよりも、うれしさの方が勝ってましたね!
おいしくは出来たんですが・・・。
実際にお相撲さんが食べる味を僕ら教えてもらったんですけど、それを一般の方に食べてもらおうと思ったらやっぱりちょっと濃い味になるんで。そこはちょっと難しかったです。
野菜の甘みや鶏肉のうまみが凝縮されたスープがまさにちゃんこ鍋の味を形作っていると思いましたね。できるだけおいしさを守りつつ、一般向けに仕上げていくのが苦労しました。だしも何パターンか試して、実際に食べた町民の方に味わってもらったりして・・・・。
なおかつ部屋の味を再現するということですね。
試作は何回くらいしたんですか?
5~6回はしましたね。ちゃんこのイメージを守りつつ味を調整するのに骨が折れました。
その後も試作が続き、何とか形になったちゃんこ。しかし、部屋の味をうまく再現できているのだろうか・・・。そんな不安を払しょくしようと武田さんが思い切った行動に出ます。
こ、これなんですか・・・?
これは作ったちゃんこを真空包装して冷凍した物です。ほら。
わ〜凍ってる~!!
そう、冷凍ちゃんこを部屋に送ったのです。
そのまま鮮度を落とさず部屋の親方に食べて頂いて、これが佐渡ヶ嶽のちゃんこじゃ、というのを認めて頂きたかったんです。お墨付きをもらうために。
試食をお願いしたのは。
かなり驚いたようで・・・。
たぶんスープだけ送られてくるのかなと思っていたので、(ちゃんこが冷凍されていて) びっくりしました、本当に。
食べてみていかがでした?
もうちょっとごま油の風味がしたほうがいいかなと自分は食べて思ったので、武田さんにお伝えしたら「もう1回試作して送ります」ということだったので。
なんでそこまで!?
100%を目指さないかんと思いまして。みんなで再度作りまして、送った。
2回目送られてきたときは変化はありました?
ちゃんとごま油の風味が立って、素材も味も生かせていたので、自分はこれで大丈夫かなと思って親方にも食べてもらいました。親方も「おいしいから大丈夫じゃないかな」という話だったので、親方の太鼓判が出ているのでもう間違いないです。武田さんの熱意ですね!
それを聞いた武田さんは?
工夫とおいしさ盛りだくさん!特製ちゃんこ鍋
つるぎ町の特製ちゃんこには、部屋直伝のさまざまな工夫が!
(鶏肉を)焼くんですね。なんで焼くんですか?
表面に焦げ目が付いてお肉のうまみを中に閉じ込めるので!
部屋の味を守りつつ、一般の人にも受け入れられる味を。塩は少なめする分、だしを工夫してスープのパンチを残しました。
どうですか?
あはは!バッチグーです?
鍋の完成直前。仕上げのごま油をたらーーり。課題だったごま油の風味をこれでプラス!。
(ごくり・・・)
これで出来上がりです!
使っているのは地元の食材ばかり!
く~、太めの半田そうめんがスープと絡んでおいしいに決まっている!どこまでも地産地消にこだわった直伝ちゃんこだ~!
この日は完成試食会。
バッチリでございます!
そして私も!
鶏と塩のだしが最初ガツンとくるんですけど、野菜のだしとごま油が鼻からふわっと抜ける!ごはん欲しくなる~~!
どんな人に食べてもらいたいですか?
まずつるぎ町の人に改めて食べてもらいたい。観光に来られる方とか、相撲ファンの方も食べてもらって町の活性化につなげていけたらなと。食材は地産地消ですからね!
いいことづくしじゃないですか!
琴吹雪さんいわく、自治体から部屋にちゃんこを教えてほしいという依頼があったのは初めてだったそう。初めてのことをやり遂げる武田さんの行動力と冷凍して送る熱意。西村さんをはじめとした料理人のみなさんの本物を目指す姿勢。究める姿勢に佐渡ヶ嶽部屋の歴史をリスペクトしている気持ちが現れていると思いました。本当においしいちゃんこ、ごっつあんでした!!
町民の熱意で相撲とあらたな緑を結んだつるぎ町。もっともっとホットな町になっていくかも!