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徳島・東みよし町 挑戦続ける夏秋いちご農家といけます?!

  • 2023年10月19日

あなたのまちの頑張る人に会いに行く「藤原陸遊のいまいけます?」。
今回は東みよし町。標高1000mの山あいでいちごを育てる水の丸地区の農家のみなさんに会いに行きます。なんでも変化を恐れず挑戦を続けるみなさんだとか。

う~んつやつや!!
藤原

今回は東みよし町!つやつやのこのイチゴを育てているみなさんに会ってきました。

東みよし町のシンボル、樹齢1000年以上の大クス!

謎のパネルが。
藤原

今回は東みよし町です。なんで顔の位置ここなんですかね(笑)

加茂の大クス!東みよし町のシンボルです。

大きい! 

樹齢1000年を超え、国の特別天然記念物にも指定されています。

耳がキーンとなります。

今回の目的地は、加茂の大クスから車で40分。

藤原

かなり上がって来ましたよ。

気温も下がってきました。
標高は1080m。平地と比べて気温が5度ほど低いそう。

そんな環境を生かして頑張っている人の情報が!

情報が!
藤原

三木さんは就農8年目。年間を通していちご栽培できるのが東みよし町の魅力で産地を継続的に維持していくために若手が中心となって新規参入者を増やそうと取り組んでいます。取材大歓迎とのことです!

標高1000mで夏秋にいちご!?でいけます?

取材依頼を受けて、いちご農家の三木さんのもとへ向かいます。

藤原

ハウスが並んでますけど・・・あ、三木さん?

もともとは福祉関係のお仕事をしていました。
三木さん

藤原さんですか?初めまして三木です。

三木敬治さん(みき・けいじ)さん。いちごを育てて8年目。
つるぎ町出身ですが、以前から農業に携わりたいと思い、ここで就農しました。

夏にいちご狩りが出来ちゃいます。

およそ20アールの農業用ハウスで育てているのは、夏秋(かしゅう)いちご。
夏から秋にかけて収穫します。

きれいな赤色です。

粒が小さく、ちょっとすっぱい!甘いケーキやイチゴ大福などの甘いお菓子によく使われるそうです。三木さん、紹介したいのはいちごというよりも・・・。

組合のみなさんへの熱い思いがあります。
三木さん

(未経験だったので)僕1人では絶対無理な話で。ここには組合があって、そこのメンバーがいろんなことを教えてくれて。そういった組合があるから今の僕があるし、これからも自分が頑張ろうと思えるんで。もしよかったらその組合を紹介しましょうか。

いちごよりも紹介したい、組合とは!?
三木さん

あ!お疲れさまで~す!

お疲れ様で~す!!

風格があります。組合に参加しているのは13軒の農家。
収穫シーズンの忙しい時期に集まってもらいました。

「水の丸いちご生産組合」のみなさんです。そのうちの6人に集まってもらいました。みなさん、以前からいちご農家というと、そうでもありません。

藤原

みなさん、ご出身はどちらなんですか?

バンド活動が趣味なんだそう。
考えた結果、東みよし町へ!

いちご農家、35年のこの方は。

この方はUターンして、いちご農家に。

一応脱サラです。18年間大阪でサラリーマンしてたんですよね。

6人のうち5人は、移り住んできて就農。

東みよし町は1年通していちごが栽培できる環境で、いちごを育てたい人も多く集まっているんだとか。ただ、素人がすぐうまくいくほど甘くはありませんでした。

葉が枯れてしまっています。

1年目はとにかく悲惨で。自分たちが素人で、病気とか病害虫とか進行していることに気が付けないとか。

先輩方の指導やサポートを受けても、思うようにいちごはできませんでした。

うわ~ことしも赤字や、みたいな感じでどんどん借金増えていくわみたいなのが最初の3年間ぐらいあって。

そんなつらい時期。支えになったのが、組合の仲間たちでした。

雰囲気が良く、農業組合からうらやましがられるそうです。

会って話をすると意外と気が楽になるよね。

うんうん。
三木さん

なりますよね!

自分のところのハウスで根を詰めて仕事していて、『ことしは暑いし、ボロばっかりだな』と思って。(組合で)ここに集まって、ことしうちボロばっかりだったわというと『ウチもだよ』って。

藤原

それ聞くと・・・?

ちょっと安心する。

安心する場です。
三木さん

『ウチも!』『ウチも!』『ウチも!』『ウチも!』って・・・。
みんなで励まし合うんですよ。

雰囲気がいいんです。

励ましあう雰囲気の良さ。
ことしからいちごを育て始めた人も。

阿波市から通っています。

みんないい人なんでね。
いろいろ話とか聞いてくれるんで。非常に助かってます。

変化を恐れないみなさん。

そんな組合が東みよし町のいちご農家を増やそうと取り組むのが「ノウハウのデータ化」です。

うちらみたいな失敗をせんように。
ある程度1年目からもうかるように体制を作ってやらないと、あとあとここへ入ってくる人たちが続かないだろうからね

まずは、

この機械でさまざまなデータを測定。
データを生かして見える化です。

ハウス内の温度や湿度、二酸化炭素などの濃度を測定できる装置を導入。先輩が経験を重ね作り上げてきたノウハウを見える化しようとしています。

根の状態などを共有。

ふだんから生育状況を共有するチャットグループも立ち上げました。ひとりでは気づけなかったことを周りの意見を聞いて気づくことが出来るようになりました。協力することで、東みよし町の夏秋いちごを守ろうとしています。

いちご愛が深い近藤さん。
ご自身の披露宴で、ウエディングケーキにも夏秋いちごを使ったそうです。

父の代から受け継いでいちごを育てている組合長の近藤政志さん。新しいメンバーが増えている現状に可能性を感じています。

近藤さん

以前からの農家は、ある程度自分で経験していることのほうが確かだと思っとるけん、なかなか新しい一歩を踏み出しにくい。
だけど新しい人が入ってきてくれて新しい意見をどんどん言ってくれる方が、みんなで組合として一歩先に行けるので。

ほかにも、新たな技術を学ぶ勉強会を開催。産地が一丸となって、いちごを守っていこうとしているんです。時代の変化も味方につけているんですね。

努力と協力の結晶なんです。

そんな皆さんが丹精込めて育てた夏秋いちご。そういえばまだ頂いてませんでした!
あれ、みなさん、そわそわしてますけど・・・。

藤原

甘い香りがしますよ!

三木さん

・・・香りはね(笑)

甘い香り。
味は?
うおっ。
酸味が!!
藤原

目が覚める酸味ですね!?

夏秋いちごは製菓用だから生クリームと合わせると最高ですよ。夏の時期はかなり酸味が強いからこのまま食べるとびっくりする人も多いね(笑)

関西方面などに製菓用として需要がかなり高いそう!

ショートケーキの上に!いちご大福の中に!イメージが湧きました。

やさしい組合長の近藤さん。
三木さん!?
新たな挑戦が実を結んでほしいです!

動画はこちらから!

藤原

お互いライバルになってもいいくらいですが、協力して育てているみなさん。
いちごと産地を守っていこうという気持ちが皆さんにあるからできることです。スイーツやウエディングケーキなど、だれかの幸せな空間のそばにいるいちごって本当すてきです。みなさんが込めた愛情をかみしめていただきます!ありがとうございました!応援しています!

  • 藤原 陸遊

    徳島局・アナウンサー

    藤原 陸遊

    「『いまいけます?』ってけっこうゆるいコーナーですよね!?」と三木さんに言われいちご帽を手渡されました。コーナーを知ってくれている喜びからかぶらざるを得ません。いちごといちじくが好きなフルーツトップ2です。いちじく帽を見かけたら教えてください。

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