三三大橋 徳島・東みよし町 遺跡と自然の橋【とくしまの橋】
- 2023年10月23日
三三大橋
完成 1990年
橋長 560m
架橋地点 三好郡東みよし町加茂~三好郡東みよし町足代 (吉野川)
橋の歴史
東みよし町の吉野川にかかるブルーの桁橋です。
完成当時は旧三加茂町と旧三好町を結ぶ橋でした。この両町名の頭文字をとって「三三大橋」と名付けられました。この橋名は公募により、当時小学6年生のアイデアが採択され、開通式では表彰状が授与されました。
三三大橋は両町を結ぶ唯一の橋であり、完成は両町住民から待望久しいものがありました。開通式では両町から約1000人が参加して渡り初めを行い、竣工式や祝賀会で喜び合いました。
また、開通式の前週には住民約4000人が集った「三三大橋フェスティバル」が行われました。橋上結婚式をはじめ、550mの記念長もちつき大会、しし舞、橋上綱引き大会など各種イベントが行われ、両町住民の友好と親睦が深められました。
豊かな生態系
三三大橋は吉野川中流にかかり、豊かな生態系が特徴です。橋からは魚を捕まえる鳥の姿などを見ることができます。一帯は鮎釣りが有名で、橋の北詰(旧三好町側)の東西両側にアユを釣る漁師の彫刻があります。
遺跡の出土
また、三三大橋の付近は遺跡の出土が有名です。橋の北側には「足代東原遺跡」があり、弥生時代に形成された前方後円形や円形の積石墓を見ることができます。積石の集団墓を形成する稀有な例で、学術上貴重な遺跡となっています。
また、三三大橋の建設時には南側に「稲持遺跡」が出土しました。こちらも弥生時代の遺跡で、竪穴式住居や勾玉、土器などが出土しています。橋の建設のために現在は埋められてしまいましたが、当時は大きな話題となりました。
稲持遺跡を記念して、橋南詰(旧三加茂町側)には大きな石でできた「勾玉」の像と、古代を描いた「陶板画」があしらわれています。陶板画は実に9枚にのぼり、弥生時代の生活の様子が描かれています。
また、「勾玉」の下には旧三加茂町を象徴する「加茂の大クス」を描いた「大楠の絵」が飾られています。こちらもぜひ併せてご覧ください。