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愛媛・高知で震度6弱 香川の備えは? 南海トラフは?

地震・津波の専門家 香川大学 金田義行 特任教授に聞く
  • 2024年04月19日

▲サムネイルをタップすると動画をご覧いただけます▲
(2024年4月18日放送)

4月17日午後11時14分ごろに発生した豊後水道を震源とする地震では、愛媛県と高知県で震度6弱の揺れを観測。香川県内でも、広く震度3を記録しました。地震の規模を示すマグニチュードは6.6、震源の深さは39キロと発表されています。スマートフォンやテレビから鳴り響いた緊急地震速報の音に驚いた香川の方も多かったのではないかと思います。この記事を書いている私・アナウンサーの五味もそのひとり。この地震を専門家はどう見るのか聞きました。

地震や津波が専門の香川大学の金田義行 特任教授は、香川の皆さんに向けてこう話します。

香川大学 金田義行 特任教授
今回は豊後水道で起こった地震ですが、紀伊水道でもし起こったとすると同じような揺れが想定されますので、最大震度6弱の地震で香川では震度3だったということで「安心したな」ではなくて、もし逆だったらどうなるかということを考えていただくというふうに、ちょっと考えを切り換えていただくことが大事かなと思います。

今回の地震は南海トラフ巨大地震の想定震源域のなかで起きました。その関連については。

まったくメカニズムが違うということと、我々が想定しているマグニチュード8クラスの地震とはまったく規模感が違いますので、それは直接トリガーする(引き金を引く)ということにはならないと考えています。

プレートの境界で起きると想定されている南海トラフ巨大地震に対し、今回の地震はより地中深くのフィリピン海プレートの内部で起きたとみられています。

メカニズムにも違いがあります。南海トラフ巨大地震はプレートが沈み込むことで境界に押し合う力がかかり、片方がずれ動くと考えられています。今回は、深いところでプレートが引っ張られるようにずれ動く、「正断層型」の地震です。

金田特任教授は、今回の地震を備えを確認するきっかけにしてほしいと話します。

基本的にフィリピン海プレートが沈み込むことによって西日本のいろんな力のバランスがどんどん変わってきていて、その結果起こる地震だと思います。南海トラフの地震はいつ来るかわかりませんが必ず来る地震で、今回は直接関係ないにしてもこれから10年、20年という時間スケールの中でいろんな地震が起こり始めれば危険水域に入って備えをしなくてはならない、そのための我々に対するひとつのシグナルだと思っています。

五味

香川に住む私たちとしては何を考えて、どんな備えをしたらいいですか?

香川大学 金田義行 特任教授
能登半島の地震でも、強い揺れで家屋が全壊・半壊した場合になかなかそこから避難できないという状況がありました。そういうことも考えたうえで、自分たちがまず地震から命を守るためには何ができるのか、その後避難するためにはどういう行動をとったらいいのかを考える。もうひとつは、今回の地震は夜に起こっていますよね。でも、日頃皆さんが訓練をするときは昼間にやりますよね。昼間やった訓練と比べて、夜に実際に起こったときに一体何ができて何ができないのか、ご自身あるいは家族・地域の皆さんと点検をする、そういうふうに考えていただければいいかなと思います。

取材後記
金田特任教授は、「緊急地震速報が鳴ってからどんな行動ができたのかを振り返って、次の備えにつなげてほしい」と話していました。私はスマートフォンで室内の揺れの映像を撮影していましたが、もっと大きな揺れが来ていたら、それでは命を守れなかったのかもしれません。緊急地震速報のあとにどんな行動をしたのか、どんなことができたのかを考えることがまず第一歩だと感じました。

  • 五味哲太

    高松放送局アナウンサー

    五味哲太

    2020年から4年間「ゆう6かがわ」のキャスターを担当
    防災や文学、古典芸能に関心があります

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