石器から楽器へサヌカイトの旅!どーもくんの夏休みin香川
- 2023年08月30日
どーもくん、金属のような音を響かせるこの石の名前、知っているかな?
どーも?
この石の名は…
「サヌカイト」! 香川県特産の石で、地元ではカンカン石とも呼ばれている。明治時代、ドイツの地質学者によって発見され、 讃岐の地名にちなんで「サヌカイト」と名付けられたんだ。
サヌカイトの歴史は、はるか昔にさかのぼる。およそ1300万年前の火山活動によって流れ出た溶岩が固まってできたと考えられている。そして、およそ3万年前の旧石器時代から弥生時代かけては、「石器」として活躍するんだ。
どーもくん、どうしてサヌカイトは「石器」に向いていたのか、わかるかな?
どーも?
その理由は…
何層にも重なった断面!サヌカイトを割ってみると…
薄くて鋭い破片に。
切れ味がよく、硬くて丈夫なサヌカイトは、ナイフや矢じりなどの生活道具として重宝されたんだ。 使われていたのは、香川県内だけではない。
日本海沿岸から愛知県まで各地の遺跡から発見されているよ。
古代の生活にはかかせない、人気の「石器」だったサヌカイト。さらに時は流れ、「石器」からあるものへと変化していくんだ。
それが、1964年の東京オリンピック。選手村の食堂で流された音楽に、サヌカイトの楽器が使われたんだ。低くて余韻が長いサヌカイトの音色が世界に響いたんだよ。サヌカイトは、石器から「楽器」へと変化していったんだ。
いま香川県では、サヌカイトを使った さまざまな形の楽器が作られつづけているよ。
サヌカイトの研究をサポートしている 冨田直人さん(とみだ・なおと)に楽器みせてもらおう!
例えば、古代中国の楽器を復元したものや…
石の塊に、縦に切込みを入れたもの。
さらには、長さの異なる筒状のサヌカイトで作られた楽器。
これは、琮(そう)という楽器。
ピアノのような音階があるよ。
どーも!
下からのぞいてみると・・・
丸く隙間が空いているね。この空間で音が反響して、 きれいな音色が聞こえるんだって。
こんどはこっちの短いのを叩いてみて!
長いものは低い音がして、 短いものは高い音がするんだよ。同じサヌカイトでも形によって全然音が違うんだ。
演奏では、独特のやわらかい余韻を楽しむことができるよ。みんなもぜひ聴いてみてね!
(編集・別所寅之助 ナレーション・塩﨑実央)