子どもたちが言うことを聞いてくれない・・・。鼻のかみ方をうまく教えられない・・・。
そんな困りごとや悩みごとを解決してくれる子育てアイデア!
すくすく子育てでは、年末にみなさまのアイデアを特集する特別番組「すくすくアイデア大賞」を放送しています。今回はこれまでのアイデアの中から、とっておきのアイデアを紹介しながら、考えるヒントも伝授します!!
榊󠄀原洋一(お茶の水女子大学名誉教授・小児科医)
マジック? 寝室スライドショー!
東京都 河合さん/アイデア大賞2015紹介作品
河合家の仲よし兄妹は、遊びに夢中になると、寝る時間になっても寝室に行こうとせず、ママは困ってしまいます。
そんなときに使うのが、このアイデア。
<どんなアイデア?>
用意するのは、懐中電灯、油性ペン、透明の袋。
透明な袋に、マジックで好きな絵を描きます。
暗い寝室で、絵を描いた透明の袋に懐中電灯をあてると、大画面のスライドショーに!
そして、絵に合わせて、ママのオリジナルストーリーを聞かせます。
ママの迫真の演技もあって、子どもたちはくぎづけに。
子どもたちが暗い寝室に行きたくなるアイデアなのです!
<専門家からの一言>
真夜中でも‘墨やかに’オムツがえ!
埼玉県 福田さん/アイデア大賞2016紹介作品
福田さんのお子さんは7か月。パパとママは、はじめての育児にとっても苦戦しています。
一番苦労したのが、真夜中のおむつ替え。部屋の電気をつけると、すぐに起きてしまい、いつも泣かれていたそうです。
そこでママが考えたのが、このアイデア。
<どんなアイデア?>
夜中のおむつ替えを見せてもらうと、部屋の電気をつける前に、何やら赤ちゃんに箱をかぶせているようです。
電気をつけてみると「タコ」になってる!?
このタコの箱は、段ボールに布を張ったもので、電気をつけても中は真っ暗なんです。
赤ちゃんは起きることなく、タコだけに「墨やかに」おむつ替えできるわけです!
最近では、爪切りにも活用しているそうですよ。
自分が困ったときがチャンスです。困ったことについて考えているとアイデアが出てきます。
(福田さん)
読み聞かせが静かに始められる合言葉
熊本県 坂本さん/アイデア大賞2014紹介作品
仕事のかたわら、保育園や幼稚園などで絵本の読み聞かせボランティアを行っている坂本さん。
読み聞かせのとき、ざわつく子どもたちが百発百中で静かになるアイデアを考えたのです。
<どんなアイデア?>
坂本さんは、読み聞かせをするとき、戦隊ヒーロー「よみきか戦隊オハナシマン」になります。
子どものころ、ヒーローに憧れていたそうです。
でも、余計にざわついてしまうのでは?と思うかもしれません。
そんなときに有効な、子どもたちと一緒に声に出す合言葉があります!
「せーの、イーチ、ニー、サーン、シー」
ポイントは、最初の「イーチ、ニー、サーン」を、みんなで大きな声で言うこと。すると、最後の「シー」でみんなもつられて口を閉じるんです。
年間100か所以上で行う読み聞かせで身につけたスゴ技なんです。
<オハナシマンは今>
2014年に放送で紹介してから3年、オハナシマンは今、どうしているのでしょうか?
オハナシマンのふるさと、熊本県を訪ねました。
実は、オハナシマンこと坂本さんは、2016年の熊本地震で自宅が半壊しました。
しかし、そんななか、地震の2日後から読み聞かせをするため避難所を回っていたそうです。
「みんなの笑顔がみられればいい、ぼくも元気をもらえた」といいます。
今は、自宅の建て替えのため仮設住宅で暮らしながら活動を続けているそうです。
これからも熊本に笑顔を届け続けてくださいね!
<専門家からの一言>
しゃぼん玉イリュージョン
宮城県 菅原さん/アイデア大賞2014紹介作品
菅原家の子どもたちは、しゃぼん玉遊びが大好き。パパは、このしゃぼん玉遊びが、もっと楽しくなる方法を編み出しました。そのアイデアがこちら。
<どんなアイデア?>
部屋を暗くした状態で、しゃぼん玉を懐中電灯で照らします。
すると、光に照らされたしゃぼん玉が不思議な虹色に!
保育士のパパが乳児院で夜勤をしていたとき、子どもたちを楽しませたくて思いついたそうです。
不思議な色に夢中になって、気持ちが穏やかになることも。
みなさんもお試しください!
<専門家からの一言>
子どもの意思や個性を尊重し、個々の感性を生かす幼児教育を実践している。
たまごがパカッ??
熊本県 坂本さん/アイデア大賞2015紹介作品
坂本家の2人のお姉ちゃんは、末っ子の弟の面倒をよくみます。ぐずったときのあやし方に困っていました。
そこでお姉ちゃんたちが考えた「ことば」がこちら。
<どんなアイデア?>
両手を卵のように合わせて「たーまーごーがー、パカッ!」と言いながら手を開きます。
すると、手で作った卵の中から、弟が大好きなどんぐりが出てきました!
ぐずっていた弟も、すぐに機嫌がよくなるそうです。
さらに、このアイデアをアレンジして、食事中にも使っているそうですよ。
<専門家からの一言>
魔法のめがね
大阪府 おおわだ保育園 大向さん/アイデア大賞2016紹介作品
大向さんは保育士になって2年目の新米保育士。3歳児クラスを担任しています。
いつでも元気いっぱいの園児たちに、言うことを聞いてもらうのはとっても大変。
特に、絵本の読み聞かせなど、静かにしてほしいときは苦労も倍になるそうです。
そこで考えたのが、このアイデア。
<どんなアイデア?>
トイレットペーパーの芯を2つくっつけて、透明フィルムを張った「魔法のめがね」です。
子どもたちに注目してほしいとき「このめがねで、かっこいいお友だちが見えるんだって」と言いながら、魔法のめがねで子どもたちをのぞきこみます。
すると子どもたちが、背筋をピンと伸ばして絵本を聞く姿勢になりました。
ポイントは「かっこいい」という言葉で、いちばん良く見られたい子どもたちの気持ちを刺激することだといいます。
<一般の家庭でも使えるの?>
この「魔法のめがね」。一般の家庭でも使えるのでしょうか。仲よし3人組に協力してもらい試してみました!
同じ幼稚園に通っている3人は、いつも一緒に遊んでいます。
ママたちの悩みは、遊びに夢中になると片づけをしないこと。やさしく「お片づけしようか」と声をかけても、なかなか子どもたちに届きません。
ここで、魔法のめがねを使ってみます。
すると、あら、不思議! お片づけをはじめました!
1人だけまだ遊んでいるお友達がいたけど、最後には片づけをする気になったそうです。
効果に差はあるけれど、家庭でも試してみる価値はありますよ。
子どもたちと遊んでいる中で、子どもの好きなことばや遊びをよく見ます。そのことばや遊びを応用していけば、興味をうまく引き出せると思います。
(大向さん)
<専門家からの一言>
簡単!鼻かみ上達法
岡山県 白神さん/アイデア大賞2014紹介作品
小さな子どもに鼻のかみ方を教えるのは難しいですよね。
そこで保育士の白神さんが考えたのが、このアイデア。
<どんなアイデア?>
丸めたティッシュを鼻の片方に詰めて、もう片方を指で押さえ、思い切り吹き飛ばします!
まるでロケット発射です。
このロケット発射あそびを通して、鼻をかむコツがつかめるんです。
ティッシュが鼻の奥に入ってしまうと危ないので、丸めるときは小さくし過ぎないようにしましょう。
3歳ぐらいからできるようになりますよ。
<専門家からの一言>
安心!子どもと買い物リスト
千葉県 宇尾さん/アイデア大賞2015紹介作品
宇尾さんの4歳になる息子は走るのが大好き。どこでも走り回ってしまうので、ママは困っていたといいます。特に困っていたのは、スーパーなどの買い物のとき。
そこでママが考えたのが、このアイデア。
<どんなアイデア?>
まず、その日に買うものを、絵本などを参考にイラストで描きます。絵の買い物リストをつくるのです。
この買い物リストを子どもに渡して、その商品を見つけてもらうようにします。
すると、子どもは宝探しをするように、じっくりと商品を探します。見つけたときは、とても喜びますよ。
以前は、スーパーは遊び場という感覚だったのが、買い物をする場所だということを理解するようになったそうです。
子どもと安心して買い物ができるアイデアなのです。
<専門家からの一言>
イヤイヤ写真館
東京都 高村さん/アイデア大賞2016紹介作品
子どもが2歳のころ、イヤイヤ期に悩んでいたママ。
そこで考えたのが、このアイデア。
<どんなアイデア?>
子どもがイヤイヤを始めたら写真を撮る。たったこれだけ。
写真を撮られた子どもは、写真に興味が移って、イヤイヤがおさまります。
さらに、撮影した写真を「イヤイヤ写真館」として1冊の本にまとめます。
道端で「だっこして!」とダダをこねたとき、スーパーで欲しいものの前で座り込んだとき、親戚とバイバイしたくないと動かなくなったときなど、いろいろな写真があります。
子どもが5歳になった今でも、このアイデアを使うことがあるといいます。
イヤイヤしている子どもの気持ちを切り替えて、思い出にも残るアイデアです。
<専門家からの一言>
子育ての悩みや困りごとを解決するアイデアを思いつくコツは?
子どもの発信をよく受け止める、子どもをよく見る
回答:榊󠄀原洋一さん
アメリカの研究で、子どもがよく育つ保育者(両親や保育士さん)の特徴がわかってきました。それは、子どもが出しているサインに対して感受性高く受け止めるということです。
子どもの発信をよく受け止める、子どもをよく見る。そうしていると、アイデアも生まれるのではないかと思います。
また、子育て中のパパママは忙しいですよね。パパママが気づかないことも、祖父母なら客観的に気づくことがあると思います。祖父母の目線で気づくアイデアもあるのではないでしょうか。
※記事の内容や専門家の肩書などは放送当時のものです