NHKスペシャル

病の起源 第1集
がん ~人類進化が生んだ病~

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人類にとって宿命とも言える病を、進化の観点から追求する「病の起源」。2008年の放送から5年、今回の新シリーズでは、いま世界の多くの人々が苦しむ病気「がん」「脳卒中」「心臓病」「うつ病」を取り上げる。
第1集は、人類最大の脅威となっている病“がん”。日本人の2人に1人が患い、3人に1人の死因となっている深刻な病気だ。“がん”は、多細胞生物に宿命の病と言われてきたが、自然界の動物では、ほとんど見つからず、進化の隣人チンパンジーでさえ、“がん”で死ぬ個体は極めて稀だ。なぜ人類だけが、これほど“がん”になり命を落とすのか。その答えは、人類が二本の足で歩き脳を巨大化させてきた陰で、宿命として抱え込んでいたことにあることが、最先端の研究から明らかになってきた。実はヒトは、他の動物に比べ“がん細胞”が増殖しやすい条件を、進化の過程で幾つも抱え込んでいたのである。“がん”を増殖させ続ける遺伝子、“がん細胞”の栄養源を大量に作ってしまう仕組み、そして“がん細胞”の増殖を防いできた体内物質の減少など・・・。
 
進化の陰で宿命として“がん”になる種が埋め込まれていた人類の体。私たちはどう“がん”に向き合い、闘っていけばよいのか、進化の過程から紐解いていく。