NHKスペシャル

病の起源 第5集 糖尿病 ~想定外の“ぜいたく”~

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およそ1万3千年前に農耕を開始した人類。飢餓を克服する一方で、急速に飽食の社会を作り上げた。その結果、狩猟採集生活を送っていたころには考えられなかった、糖尿病という病に悩まされることになった。現在、世界の糖尿病患者は2億4千万人にも上る。特に日本人は、糖尿病になりやすい体質であることが分かってきた。血液中の糖を細胞に取り込み、血糖値を下げる働きを持つインスリン。このホルモンを分泌する、すい臓の能力が欧米人に比べ低いのだ。原因は縄文時代から近代に至るまで、数千年にわたる食生活にあるという。
さらに最近では、胎児期の栄養状態によって、糖尿病になりやすい体質が作られることも明らかになってきた。日本の若い女性たちの「やせたい」という願望が、将来の糖尿病患者を増加させる恐れも指摘されている。
高度肥満になってしまう人の脳の分析、肥満を治療する手術など、最新の研究を織り交ぜながら、女優・渡辺えりさんが人類の歴史に秘められた糖尿病の謎に迫る。