NHKスペシャル

沸騰都市 第5回
ヨハネスブルク “黒いダイヤ”たちの闘い

アフリカ最大の経済大国、南アフリカの中心都市ヨハネスブルク。豊富な鉱物資源と『黒いダイヤ』と呼ばれる黒人中間層の拡大で急成長を遂げてきた。アパルトヘイトの終焉以降、黒人たちは急速に豊かさに向かった。差別と貧困の象徴であった旧黒人居住区ソウェトには巨大ショッピングセンターが出現。また、この地区には2010年開催のワールドカップのメインスタジアムの建設も進んでいる。
背景にあるのは政府の黒人経済強化策。優先的にレアメタル鉱山の採掘権を与えられてこれまで白人が独占していた鉱山経営で成功を収める黒人も登場した。かつての白人専用カジノには黒人富裕層が詰めかける。そして、この富を狙って2つの新興国、中国とインドが競い合うように進出している。流れ込む中国人は5千人から20万人と急増した。
主役に躍り出た黒人たち。しかし彼らに初めての試練が訪れている。世界的な景気悪化の影響を受け、資源価格は急速に下落。一方では、貧富の格差拡大や世界最悪ともいわれる犯罪の多発など問題も吹き出している。
アパルトヘイト撤廃から10年あまり。自由と富を手にした黒人『黒いダイヤ』たちが経済危機の試練と闘うヨハネスブルクの物語。