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埼玉 秩父 クマの目撃急増!子どもに鈴配る 専門家に聞く注意点は?

  • 2023年08月25日

クマの目撃情報が相次いでいる埼玉県秩父市。2学期が始まった子どもたちの身を守ろうと小中学生にクマよけの鈴とホイッスルが配られました。
専門家は、人がいることを知らせる鈴をはじめ、人が住んでいるところに近づけないようにすることが大切だとしています。

埼玉 秩父でクマ目撃相次ぐ

秩父市によりますと、ことし4月から8月25日まで市内でクマが目撃された件数が39件で、昨年度1年間の31件を上回っているということです。

秩父市によりますと、人的被害はないということですが、市街地に近い公園などでも目撃が相次いでいて市では、クマの被害に合わないよう目撃現場付近のパトロールを強化しています。

このうち、ことし6月に目撃情報があった観光名所の1つ、羊山公園では園内の樹木に「熊出没注意」と書かれた看板が設置されていました。

近くに住む男性
「目撃件数が増えてきているので気を付けながら走っています」

秩父市生活衛生課 岩城哲也さん
「山の高い位置に食料がなく、クマの行動範囲が低地に降りてきているのではないかと思います。市民や観光客の皆さんが安全に過ごせるよう注意喚起を続けていきたい」

子どもたちにクマよけの鈴とホイッスル

こうした中、秩父市は、25日から2学期が始まった市内の小中学校のすべての児童や生徒4000人あまりに、今回初めてクマよけの鈴とホイッスルを配りました。

このうち、久那小学校では始業式を終えたあとクラスごとに担任の教員がクマよけの鈴やホイッスルの使い方を説明しました。

子どもたちはさっそくランドセルに鈴やホイッスルを取り付けて下校していました。

小学6年の男子児童
「数年前に自宅近くでクマを見たことがあって、怖かったです。今日もらった新しい鈴は音がよく出るので安心して学校に登校できます」

久那小学校 浅見和良校長
「これまでは新型コロナや熱中症について注意を払っていましたが、今後はクマへの警戒もしなければならない。こどもたちが安心・安全な学校生活が送れるように見守っていきたい」

児童の通学路でクマ目撃

クマよけの鈴とホイッスルを配った久那小学校の教員は、23日午前7時55分ごろ、通勤途中の車の中で、クマを目撃したということです。

目撃した場所は、小学校から400メートルほど離れていますが、児童の通学路にもなっています。教員によりますと、車を運転していたときにやぶから出てきて道路を横切っていったということです。

目撃した教員

大きさは柴犬より一回り大きく体の色が真っ黒で、鼻先が犬とは違うクマの特徴がありました。歩き方がのそのそと大股だったので、クマだと確信しました。びっくりしたと同時に、子どもの安全が気になったので即座に通報しました。

住宅街の近くや観光地でも

埼玉県秩父市でクマが目撃された件数はことし4月から25日までに39件にのぼっています。

目撃された場所が住宅地に近いのも特徴で、25日午前7時ごろ目撃されたのは、秩父鉄道の影森駅から数百メートル離れた荒川の周辺で、近くには学校や住宅地もあります。

その45分後には、目撃された地点から近い上流の場所でも目撃されました。

また、多くの観光客が訪れる場所でも目撃されています。
6月中旬には羊山公園の芝桜の丘周辺で、目撃されました。

また7月下旬には秩父ミューズパークの周辺で、さらに8月上旬にはこのミューズパーク内の「ミューズの泉」付近でも目撃されています。

専門家に聞く注意点は

クマの目撃情報が住宅地近くでも相次いでいることについて、専門家は「クマが好物の木の実やクリ、それに畑の作物もクマをひきつけている可能性がある」と指摘していて、人がいることを知らせる鈴をはじめ、人が住んでいるところに近づけないようにすることが大切だとしています。

東京農工大学大学院 小池伸介教授
「今はクマが秋にかけて主食のドングリを探し始める時期にあたるので、山奥の生息地でとれなかったりすると大きく動くことになるので、人目につきやすくなる」

〇住宅地近くでも目撃される要因は?
「クマが好物の木の実やクリ、それに畑の作物もクマをひきつけている可能性がある。クマは賢くて記憶力のいい動物なので、一度そういう成功体験をすればより大胆になったり、また同じ所にやってくることもできる」

〇クマにどう対処?
「多くのクマは人間に近づきたくはないものなので、鈴を持つことは耳のいいクマに人間のいるところから立ち去ってもらう意味で有効だと思います。何よりも大切なのはクマを森から出さないこと。やぶを刈り払うなどして、人との生息エリアをはっきりと分ける環境作りが大事ではないか。山に入るときには、クマの目撃情報などにも注意を払ってほしい」

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