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ワイン堆肥でこだわりのいちご栽培 埼玉県秩父市

  • 2022年04月14日

秩父市にある「ただかね農園」では、ワインの搾りかすなどを使った堆肥で、こだわりのいちごを栽培しています。地域をつないだサステナブルな農業を目指す髙野宏昭さんに猪崎那紗キャスターが伺いました。

高野さんが行っているサステナブルな農業とはどんなものなんでしょうか。

近所のワイナリーからワインの搾りかすをもらったり、農家からコメのもみ殻や、きのこを採ったあとのおがくずや、キャベツの葉をもらったりして、堆肥を自分でつくっています。家から出た生ごみやお客さまが農園で食べたいちごのへたなども全部混ぜ込んで、堆肥にして畑に戻すという循環型の農業を実践しています。

ワインの搾りかすやもみ殻は、直接、口にすることはないですけれども、栄養がたくさん含まれているんでしょうね。

ワインの搾りかすには糖分が入っていますし、ポリフェノールなどは土の中の菌を育てるためのよいエサとなります。また、もみ殻はいちごを強くしてくれる栄養素が含まれています。きのこのおがくずも菌のエサになる栄養素が含まれているので、とてもよい堆肥になります。

こうした堆肥は、いつから使っているんですか。

以前はサツマイモやカボスなどを使ったりするなどの試行錯誤を繰り返していたんですが、どうやらワインの搾りかすを使うとよい土ができるということがわかってきたので、ここ10年くらいはワインの搾りかすをメインで使っていますね。

どうしてワインの搾りかすを使うことになったんですか。

私が堆肥づくりでずいぶん悩んでいるのを、妻がずっと見ていまして、ひょっとしたことから、ワインの搾りかすを使ってみたらというアドバイスをしてくれて、試してみたら思いのほかよい堆肥だったので、びっくりしました。

ワイン堆肥は、いちごの栽培にどのような影響をもたらすのでしょうか。

まず、ワイン堆肥を畑に入れる段階では、良質の土壌改良材となります。通気性や透水性がとてもよくなるんです。そして、畑の中でだんだん熟成していって、植物がより吸収しやすい状態になって、よりよい肥料になっていきます。

畑の通気性や透水性がよくなると、とても甘みがのって、実のしまったいちごに育ってくれますので、ワイン堆肥はとても役に立っています。

月日を重ねていくうちに、よい土になっていくんですね。

去年やおととしに畑に入れたワイン堆肥は土壌改良剤、4,5年前に入れたワイン堆肥はよい肥料になってくれます。やはり、畑の土づくりには何年もかかりますね。

いちごを食べたお客さまの反応はいかがですか。

やはり、おいしいって言っていただいたり、実が引き締まっていると言っていただいたりしています。堆肥づくりは大変だったんですが、続けてきてよかったなと思っています。

今後もサステナブルな農業を続けていかれると思うんですが、これから挑戦したいことを教えていただけますか。

今は、皆さんからいただいた材料でつくった堆肥を提供していただいた方に配っているくらいなんですが、できたら地域を巻き込んで、もう少し大きな輪をつくって、このサステナブルな堆肥を広めていきたいなと思っています。

キャスターからひと言

高野さんが栽培したいちごは、老舗洋菓子店コロンバンが開いた「全国いちご選手権」で1位に輝き、期間限定でワッフルの具材としても使われているそうです。今後、地域ぐるみで、ワイン堆肥を使った特産品が出てくるといいですね。

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