東京・恵比寿、かつてビールの工場があり地名の由来にもなったこの地で、およそ36年ぶりにビールの製造が再開されました。大手ビールメーカーのサッポロビールが複合施設に新たな醸造所を整備したもので、ビール造りの様子を見られるほか、できあがったビールを飲むことができるバーなどが併設されているということです。
恵比寿では、メーカーの前身の会社がビールの醸造施設を設けて1890年から販売を始め、ブランド名が駅や地区の名前の由来にもなりましたが、工場増設の面での課題などから1988年に閉鎖されていました。
大手ビールメーカーのサッポロビールは、東京・渋谷区恵比寿の複合施設に新たな醸造所をおよそ17億円かけて整備しました。この地でビールの製造が再開されたのはおよそ36年ぶりです。
記念のセレモニーが行われた3日、渋谷区の長谷部健区長が「地元産のビールができてうれしい。名所となるよう、区としても背中を押したい」とあいさつしたあと、関係者がテープカットをしてオープンを祝いました。
この醸造所は、年間130キロリットルのビールを製造でき、訪れた人がビール造りの様子をガラス越しに間近で見られるほか、できあがったビールを飲むことができるバーなどが併設されています。
メーカーでは、年間25万人の来場を見込んでいて、2023年10月の酒税改正に伴い税率が引き下げられたビールの販売拡大につなげたい考えです。
サッポロホールディングス 尾賀真城社長
「新たに提供するビールはおいしさだけでなく歴史も感じてもらいたい。今後も地域と密接に関わるメーカーとして街と一緒に歩んでいきたい」