野球のWBC=ワールド・ベースボール・クラシックで3大会ぶりの世界一を目指す日本は、1次ラウンドのグループBを4戦全勝の1位で通過して準々決勝進出を決めました。
準々決勝は3月16日に東京ドームで行われ、グループAを2位で通過したイタリアと対戦します。
イタリアはどんなチームなのか、日本の1次ラウンドの戦いぶりもまとめています。
WBCで3大会ぶりの世界一を目指す日本は9日夜、1次ラウンドの初戦で中国と対戦しました。
中国戦に先発した大谷翔平選手
初戦のマウンドを任され、先発ピッチャー兼、3番・指名打者で出場した大谷翔平選手。
1回から160キロ前後のストレートとキレのあるスライダーを中心に、4回途中まで1人のランナーも出さないピッチングを見せました。
大谷選手は、4回、1アウトから初ヒットを許したものの、スライダーを決め球に2者連続三振で後続を抑え、4回無失点、球数49球、ヒット1本、奪った三振5つの成績で先発としての役割を果たしました。
4回ウラ 大谷翔平選手 レフト方向にフェンス直撃の2点タイムリーツーベースヒットを放つ
大谷選手は、バッティングでもチームを勢いづけました。
第1打席にフォアボールを選んでチャンスを広げて先制点につなげたほか、1対0で迎えた4回の第3打席では1アウト一塁、三塁のチャンスでレフト方向にフェンス直撃のツーベースヒットを打って2点を追加しました。
試合は、8回にバッター10人の攻撃で一挙、4点を奪って突き放し、日本は8対1で中国に勝って白星スタートを切りました。
初陣を飾った日本。
1次ラウンドの第2戦はWBCでの対戦成績が4勝4敗の五分の韓国でした。
韓国戦に先発したダルビッシュ有投手
先発したのはダルビッシュ有投手。
0対0の3回にノーアウト二塁とピンチの場面でツーランホームランを打たれるなどして、この回3点を奪われました。
3点を追う打線は、直後の3回ウラ。
2者連続フォアボールでノーアウト一塁二塁とチャンスを作ると1番のヌートバー選手と2番の近藤健介選手の連続タイムリーで1点差に迫りました。
さらに1アウト満塁として5番の吉田正尚選手が2点タイムリーを打ってこの回、一気に逆転に成功しました。
5回ウラ 先頭の近藤健介選手 変化球を捉えてライトスタンドへ運ぶソロHR
その後も打線の勢いは止まらず、近藤選手のホームランや大谷選手のタイムリーなどヒット13本をマークした日本が13対4で韓国に勝ちました。
中国と韓国に連勝した日本。
11日夜、1次ラウンドの第3戦でチェコと対戦し、岩手県陸前高田市出身でプロ野球・ロッテの佐々木朗希投手が東日本大震災から12年となる日に先発しました。
チェコ戦に先発した佐々木朗希投手
佐々木投手は、1回に味方のエラーで1点を先制されました。
しかし、2回以降は、160キロ台のストレートに140キロ台のスライダーとフォークボールを織り交ぜて追加点を許しませんでした。
佐々木投手は、球数制限のため4回途中66球を投げて降板し、1失点、8つの三振を奪いました。
吉田正尚選手 初球の速球を振り抜き2点タイムリーツーベースで逆転
打線は1点を追う3回にツーアウト一塁二塁として、5番の吉田正尚選手の2点タイムリーツーベースで逆転に成功しました。
その後も1番のヌートバー選手の2試合連続となるタイムリーヒット、2番の近藤健介選手と、3番の大谷翔平選手の2者連続となるタイムリーツーベースなどで得点を重ね、10対2でチェコに勝ちました。
日本は、1次ラウンドの最終戦でオーストラリアと対戦しました。
ノーアウト一塁二塁 ライトスタンド後方の看板を直撃するスリーランHRを放つ大谷選手
日本は1回にノーアウト一塁二塁の場面で3番の大谷翔平選手。
ライトスタンド後方の看板を直撃するスリーランホームランを打って先制しました。
タイムリーヒットを放ち ベンチに向かってポーズをとりながら走るヌートバー選手
さらに2回には、ワンアウト三塁として1番のヌートバー選手のタイムリーヒットと、2番の近藤健介選手のタイムリーツーベースで2点を加えました。
オーストラリア戦に先発した山本由伸投手 4回無失点のピッチング
先発の山本由伸投手は、150キロ台の速球に加え、フォークやカットボール、それに、120キロ台のカーブを組み合わせる多彩な投球を見せて相手打線を封じました。
投手陣は5回から2人目で登板した高橋奎二投手が2イニングを投げて無失点と好投するなど、投手リレーで相手打線の反撃を1点に抑えて日本が7対1で勝ちました。
この結果、日本はグループBを4勝全勝の1位で通過して準々決勝進出を決めました。
グループBを4戦全勝の1位で突破した日本代表は、グループAの2位、イタリアと対戦します。
イタリアは5大会連続のWBC出場で、1次ラウンドを突破したのは2013年の第3回大会以来となります。
チームを指揮するのは、大リーグ屈指の強打のキャッチャーとして通算427本のホームランを打ったマイク・ピアッツァ監督です。
ピアッツァ監督は、現役時代、ドジャースで野茂英雄さんとバッテリーを組んだことで日本の野球ファンにもなじみが深く、どのようなさい配を見せるかも注目です。
チームはイタリア系のアメリカ選手を中心に構成されていて、注目は大リーグのエンジェルスで大谷翔平選手とチームメートのデービッド・フレッチャー選手です。
華麗な守備と積極的なバッティングが持ち味の内野手で、昨シーズンは61試合の出場にとどまりましたが、おととしのシーズンは、157試合に出場し164本のヒットを打っています。
大谷選手とは28歳の同い年で、大リーグのデビューも同じ2018年ということもあり仲がいいことでも知られています。
1次ラウンドのグループAは5チームすべてが2勝2敗で並ぶ混戦となりましたが、イタリアは、このグループで1位だった強豪・キューバと、プロ野球・ヤクルトで活躍したバレンティン選手などを擁したオランダから勝利をあげました。
イタリアは4試合の合計で20得点をあげて、失点は17でした。失点数を守備イニングで割った「失点率」の差でキューバに次ぐ2位となり、準々決勝進出を決めています。
日本の準々決勝は3月16日、東京ドームで午後7時から行われる予定です。