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静岡 県警が動画で公開 特殊詐欺に加わった少年たちの声

  • 2023年05月16日

特殊詐欺事件に関与する若者が後を絶たない中、静岡県警察本部は、事件に加担したとして静岡市葵区の少年院「駿府学園」に収容されている15歳から19歳までの5人の少年の証言を伝える動画を公開しています。その一部をご紹介します。

「捕まって安心した」受け子の本音 

YouTube 静岡県警公式チャンネルより

捕まる以外で抜け出す方法がわからなくて。捕まって本当に安心したというか、「やっとやめられる」という思いでした。

「受け子」と呼ばれる高齢者などから現金やキャッシュカードをだまし取る役割だったという少年の証言です。事件に関与していた当時は、一定時間経つとメッセージが消えるアプリを使っていました。

高齢者の自宅に行くときは、片耳だけワイヤレスイヤホンをはめ、指示役との電話をつなぎっぱなしにしてセリフなどの指示を受けながら、高齢者とやりとりをしていたといいます。

少年は、途中でやめようと思っても「警察や家族に言う」などと脅されたため、やめることができなかったといいます。特殊詐欺に加担しまったことを後悔しています。

母親が面会に来てくれるたびに涙が出て、後悔して「やんなきゃよかったな」って。自分のためにも、周りの人たちを安心させるためにも、学校通ったり、働いたり、ちゃんとして、家族たちを安心させてあげたいなと思っています。

後悔から得た教訓「断る力持って」 

「出し子」は、受け子がだまし取ったキャッシュカードを使って現金を引き出す役割のこと。この少年は、地元の先輩に「ATMから引き出す仕事」と誘われ、話の内容から詐欺だとわかっていながら、出し子として加担したということです。動機の6割は断れない気持ちがありましたが、4割はお金ほしさだったといいます。

YouTube 静岡県警公式チャンネルより

被害者からは、お金以上に取ってしまったものがあると感じています。取り返しのつかないことをやってしまったんだなという思いが強く、本当に申し訳ない気持ちです。

1週間で20~30万円という報酬を提示されていましたが、実際に手にした報酬は約6万円でした。動画を見ている人に向けて、しっかりと断る勇気を持ち、困ったら周りの人に相談してほしいと訴えました。

(報酬をもらって)幸福感があると思うんですけど、その裏腹には少年院に来て青春の日々を削られていくので、甘い話には乗らずに、怖いと思うんですけど断る力を持って、一人で断れなかったら家族、家族にも言えなかったら警察に相談してほしい。

特殊詐欺「ひと事だと思わないで」

動画ではこのほかに3人の少年が声を寄せ、詐欺に加担してしまったきっかけや後悔の念を語っています。

YouTube 静岡県警公式チャンネルより

友人から「日雇いバイトがあるからやらないか」と言われて、その時ちょうど探していたので「ちょうどいいや」と思ってOKした。 

「戻れるなら誘われる前の日々に本当に戻りたい」という少年。同年代の若者たちに向けて、危険は身近にあると注意を呼びかけます。

自分自身、詐欺をやりたくてやってしまったわけではなかったので、特殊詐欺が自分の身の回りと離れているものだと思ってほしくないです。自分も普通に学校に通っていましたし、その中で急にこうなってしまったので、中学生や高校生には、決して自分に起こらない、ひと事だと考えてほしくないです。

「受け子」「出し子」は必ず警察に捕まります
というメッセージで結ばれるこの動画。静岡県警察本部では、この動画を中学校や高校で開く非行防止の教室でも活用し、特殊詐欺事件に加担しないよう呼びかけることにしています。

静岡県警が公開した動画はこちら
(NHKサイトを離れます)

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