静岡裾野 全中学校で統一制服 経済性と多様性を重視
- 2023年04月12日

この春から静岡県裾野市の公立中学校は、生産コストなどを抑えるため同じデザインの制服に統一。また、性の多様性を背景に3種類の中から制服を自由に選べるように。こうした取り組みは、県内では初めてで、新しい制服姿の新入生が入学式に臨みました。
新しい制服で入学式

裾野市立西中学校では6日午前、入学式が行われ、新入生およそ150人がこれまでの詰め襟とセーラー服ではなく、多くは新たに採用されたブレザー姿で出席しました。
制服変更に向けてアンケート実施
制服の変更はおととしから検討されていて、市内の中学校が生徒と保護者にアンケートを実施。
保護者に制服を変更する場合どのようなことを重視するかを尋ねると、
- 手入れ(洗濯)がしやすいものがいい
- 経済性を重視する
- 男女ともにスラックスかスカートを選択できるものがいい
などの意見が多く集まりました。
また、生徒にネクタイやリボンの必要性などについて尋ねると女子生徒からは、リボンのほかにネクタイも選べるようにしてほしいといった意見が多く、半数以上がネクタイを着けたいと回答したということです。
できあがった制服は
市内のすべての中学校が制服を統一することで生産コストを抑えたほか、ブレザータイプだと夏場はポロシャツにできるため女子生徒の場合、最大でおよそ1万5千円安くなったということです。


制服は男女とも、2種類のスラックスとスカートの3種類の中から自由に選べるようになったほか、女子生徒はリボンだけでなく、ネクタイも可能としました。
新制服でむかえた入学式の感想は

(女子生徒)「緊張して入学式をむかえました。制服がかわいくなったと思います」

(女子生徒)「ドキドキして入学式を迎えました。スカートが嫌だったのでズボンが選べてよかったです」

(保護者)「小学校高学年になってからは、ズボンを着ることがほとんどで、本人もズボンがいいとずっと言っていたので、選べるようになってよかったです」
制服の変更を提案した校長は

制服の変更を提案した裾野市立西中学校の佐野充洋校長は、次のように述べました。
(佐野校長)「いろいろな子どもたちがいるので、当たり前に着たいと思える制服を選べることが大切だと思います。今回は、多様性を取り入れた制服にしましたが、これからは制服のことだけでなく、そのほかの学校教育の中でも多様性を意識しながら進めていきたいと考えています」
学校によりますと、経済性を重視しすべての公立中学校で制服を統一するのは県内で初めてだということです。