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NHK静岡 「鎌倉殿の13人」と「北条」ゆかりの伊豆 歴史散歩

静岡 伊豆の国 大河ドラマ 鎌倉殿の13人 北条 NHK静岡 アナウンサー 望月豊
  • 2023年01月19日

NHKアナウンサーの望月豊です。大河ドラマ「どうする家康」で大いに盛り上がる静岡県・・・。
でも、ちょっと待った! 
みなさん、「鎌倉殿の13人」のこと、もう忘れていませんか???
実は私、生まれも育ちも伊豆は韮山。「鎌倉殿の13人」の舞台・伊豆の国市がふるさとなんです。
「北条」はいまも昔もこの地に息づいています。
駅からかんたんに歩いて行ける北条ゆかりのポイントをご紹介します。

 

韮山駅を出発

「鎌倉殿の13人」開始当初、舞台となった伊豆の国市。最寄り駅の伊豆箱根鉄道駿豆線・韮山駅へは三島で乗り換えて15分です。

子供のころから利用していますが、数年前に無人駅になりました。


線路を隔てて駅のすぐそばにあった大河ドラマ館。時代劇場という市の施設の一部が利用されていました。
今月15日の閉館まで、たくさんの方が訪れていました。
私が住んでいた30年前はまだ田んぼでした。
 

周辺には、いまも北条家ゆかりのお寺などが多くあります。このあたりは昔から広く「北条」という地名で知られていたようで、この近くに嫁いだ明治生まれの祖母は、親戚から「北条のお姉さん」と呼ばれていたそうです。大河ドラマ館は本当に北条ゆかりの地にあったのです。

地元の“北条”を訪ねて

北条の地名が残るのは史跡だけではありません。
線路伝いに5分ほど南へ歩きます。

富士山がきれいです。

伊豆箱根鉄道の列車と富士山。
最近は鉄道写真愛好家の方の姿も多く見かけるようになりました。

みかんがなっていました。鮮やかなオレンジが葉の緑と青空によく映えて思わず1枚。

すると。

以前散歩しているときに見つけた“北条”踏切。

向こうに見えるのが守山。北条氏の本拠地とされているところです。

確かにこの踏切を渡ってまっすぐ進んでいけば、時政のお墓や、政子がつかった産湯の井戸、北条氏邸跡などがあります。
北条という地名は住所にはありませんが、こんなふうにいまも残っています。
 

もうひとつ、記憶をたどって北条の地名を探し求めます。

駅から北へ5分ほど。国道136号線沿いにある八坂神社。

このあたりに“北条”というバス停があった気がするのですが…。

残念ながら見つかりません。

違ったかな?

でも、記憶にあるところにバスが止まりそうなスペースが。

やはりこの辺りにあったのではないかと思います。

何気ない暮らしにいまも息づく北条を紹介してきれいに終わろうと思ったのですが…残念。
 

定番!蛭ヶ島公園

仕方ないので、気を取り直して定番スポットへ。
駅から南に10分ほどのところにある蛭ケ島公園に向かいます。

途中の道路には、伊豆の国市ゆかりの史跡や人物紹介の石畳が。

 

ラッピングバス発見。もうすぐ終わってしまうと思うと寂しいですね。

蛭ヶ島公園に到着。

平治の乱で敗れた源頼朝が流されたところとされています。
頼朝はその後、北条家と昵懇になって政子と結婚し、ここから源氏再興の旗揚げをしたのです。

島というだけあって、昔このあたりは川だったようです。
すぐそばは土手和田という地区で、土手というくらいだから本当に川だったのでしょうが、まったく想像がつきません。

以前は蛭ヶ小島と呼ばれていて、碑があるくらいでした。いまは公園としてきれいに整備されて、頼朝・政子像がいつも富士山を眺めています。

昔、蛭ヶ小島のそばには「草燃える」(石坂浩二さんが源頼朝を演じた昭和54年の大河ドラマ)ゆかりの地という小さなオレンジ色の看板がありました。毎朝、蛭ケ小島の前を通って学校に通っていた私には、その看板がとても誇らしく、ありがたいものに映っていました。

あれから30数年。

まさか北条義時が大河ドラマの主人公になり、このあたりが中心舞台になることを、あのころ誰が想像できたでしょう!

そんな、私にとって夢のような「鎌倉殿の13人」もとうとう終わってしまい、いまや「どうする家康」フィーバー。
でも、伊豆の国市は、いままでもこれからもずっと北条家ゆかりの土地です。

頼朝や政子、義時も眺めたであろう富士山が、いまも変わらず迎えてくれます。
(宝永火口はなかったでしょうが…)

大河ドラマがあってもなくても、いまも息づく北条を感じに伊豆の国市にぜひ遊びに来てください。

 

 

  • 望月豊

    NHK静岡 アナウンサー

    望月豊

    静岡県伊豆の国市出身。上智大学文学部史学科卒業。専攻は日本中世史。1999年から潜水アナウンサーとして国内外の海や川でリポート。現在も伊豆の海を中心に取材を続けている。

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